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1日目(前編) 賢い計画と出発

旅、始めました。

 朝、刺すような太陽の光で私は目を覚ました。小石のせいでひどく背中が痛いがそのような事は今は気にならなかった。早速川の水で顔を洗い、旅の計画を立てることにした。

 そしてそこから1時間ほど、私は途方に暮れていた。樹海に行こうと息巻いたはいいものの今の私のいる場所は鹿児島県。静岡までは1ヶ月以上はかかる見込みだ。それに道中には必ずコンビニ等があるわけでもない。ましてやこんな旅をするにあたって10万円程度では道中で消えるに決まっているじゃないか。そうなれば結局道端で衰弱死ルート突入確定だ。「やめだやめ、さっさと首括って死のう。」そうぼやくと同時に自分の拳が強く握りしめられた。これはどの感情から起こったものなのかは全くわからないがただ一つ言えることがあった。私は自分の力で何かを成し遂げたことが37年間生きてきた中で一度もなかった。

 勿論、時間を遡っていけば試みたことなどは星の数ほどあった。だがどれもこれも失敗に終わっていたのだ。しかし今までの試みと今回の試みでは圧倒的な違いがあった。自分の命を賭けているのだ。今までの試みには後ろ盾に家族がいたのだが、今回はそれがない。それに加えて私は37歳プロニートだ。もう私には背水の陣しか戦闘コマンドが残されていないのだ。「…自分の命まで賭けて決意したんだ。ここで戦えなきゃ、俺にはもう何も残らない。」また独り言だ。追い出されてからというもの会話相手がいないせいか拍車がかかっている。いや、今までの会話相手もネットの中だけだったのでいなかったといえばいなかったのだが…まぁ今となってはどうでもいい話だ。なんにせよ腹は括った。今から本気で計画を立てよう。

 まず初めにお金だ。これに関しては最重要事項と言っても良いだろう。季節に関しては今は3月な為熱中症にさえ気をつけていれば良いだろうが、お金がなければその対策をする水も食べ物も買えない。ましてや自転車がパンクした時に直すことだってできなくなるかもしれない。ではどうやってお金を稼ぐのか。働くのは無理だ。今更社会になど出れるわけがない。まぁそれ以前に私のことを雇ってくれるところなどどこにもないが。いや、別にお金を稼げなくとも何かしら人からもらえれば良いのではないか。食べ物と水さえあればお金がなくとも人は生きていける。これは旧石器時代の人間でさえできていたことだ。現代のぬるい世界ではそんなこと簡単にできるのではないのだろうか。浅はかではあるがそうするしか道はない。ここに関しては靴だって舐める覚悟で挑もう。

 ではどうやって物乞いチャンスを生み出すのか、そもそもこんなチャレンジに力を貸す人間がいるのだろうか。そんなことを考えてもキリがないのでやめておいた。そしてチャンスを生み出す事に関しては簡単だ。ネットで拡散すれば良い。〜37歳プロニート、家を追い出されたので死ぬために樹海を目指そうと思います〜 我ながら素晴らしいタイトルだ。だがしかし、これだけでは少しインパクトに欠けるような気もする。「そうだ、どうせなら日本全国横断してやろうw。」はっきり言ってイカれている判断だとは思う。インパクトに欠けるからと言って全国横断を足してしまう。こんなこと文春だってしないだろう。だが私はする。そもそも私は中学生の頃から自転車での旅に憧れを抱いていたのだ。

 そうと決まればまずすべき事は自転車の改造だ。まぁ改造といっても日本全国横断中のダンボールと寝袋を紐で縛るだけなのだが。心なしかウキウキしているのだろう。早速スーパーで無料の段ボールに貸してもらった油性ペンで(日本全国横断中)と書き、写真を撮りネットで拡散した。あとは反応があるかどうかだが待っている時間が勿体無い為早速出発しようと思う。まず向かう場所は宮崎県だ。外界ど断絶してきたプロニートが知らない人に道を尋ねる事などできやしないのでスマホで調べ、方角だけを見てとりあえず進む事にした。

 時刻は午前11時。久しぶりに乗った自転車、風を切るとまではいかないが、顔に当たる風には河川敷の周りに咲く桜の香りがして心なしか気分は良かった。

読んでくださりありがとうございます!

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