表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/4

0日目 追い出し

初めまして、平木です。

初投稿作品なので優しくしていただけたら幸いです。コメントなどは全て目を通させていただく所存ですのでいろいろとよろしくお願いいたします。

 私は吉田 光。37歳のニートだ。これといった特技はないくせにプライドは高く、それに見合った根性もない正真正銘のクズである。

 現在の時刻は正午、「おはよう」というより「こんにちは」の方が似合う時間帯だ。今から朝ごはんを食べようと思う。今日は朝からカップ麺にしようとリビングへ向かった。いつもならここで母とすれ違い、その時に小言を挟まれるのだが今日は何も言われなかった。だがその時事件が起こった。母が倒れてしまった。急いで救急に連絡、病院へ運んでもらった。幸いにも軽い脳卒中だったため命に別状はなかったらしいのだが年も年だったため医者から入院を下された。

 そしてその夜、私は家を追い出されてしまった。父と妹が「お前が何もせずただ家にいるだけだったから母さんに気苦労をかけたんだ。」と言いがかりをつけられて流れるように家を追い出された。

 さて、家を追い出されてからかれこれ2時間程経ち、時刻は午後10時になる。昼間はあれ程騒がしく聞こえた声たちは静かになり、忙しそうに道を駆けていた車はだいぶ減った。私はこれからどうしようかと悩んでいた。持ち物は寝袋と自転車にスマホ、そして餞別だと言わんばかりに渡された10万円、以上4点になる。ある程度自立した人間なら一ヶ月は生きていられるであろう装備なのだが私はかれこれ10年以上は怠惰に過ごしてきた謂わばプロニート。これじゃあ3週目が関の山だろう。自分から死ぬのならまだしも道端で衰弱死はバッドエンドすぎて流石の私でもゴメンだ。

 その時私はふと気がついた。…そうか、自分で死ねばいいのだ。そうすれば最後まで足掻かず楽だった人生のまま終われるじゃないか。我ながら天才とも言える発想だ。

 早速コンビニで太めの強そうなロープを買った。あとはどこで死ぬかを決めるだけだ。さぁどこで死んでやろうか。公園はダメだ人目につきやすく最悪失敗して自宅へ強制送還もあり得る。森ならどうだろうか、近くにいい感じの山がある。だが死んだ後見つかりやすく私だと分かれば家族に心労をかけてしまう。死んだ後も迷惑をかけるのは漫画じゃあるまいし流石に申し訳ない。ならどこで死ねば良いのだろうか。頭から一つの記憶が掘り起こされた。静岡の富士山の麓にある樹海、そこは天然記念物になっていると同時に自殺の名所でもあるらしい。なんと皮肉が詰まった場所なのだろうか。生命と厳しさの象徴とも言える自然が被害者面の甘ったれた人間どものせいでその名誉を汚されている。「ここしかない。」考えていることが口に出ることはよくあるのだが、今回みたいに思考からくるものは珍しい。37歳ではあるがこの気持ちの昂りを抑えられる程私は成長した人間ではないので良しとしよう。

 その日、私は河川敷で自転車を止め寝袋の中で眠りについた。冷えた小石が今までの不摂生を叱咤するように体に刺さってきて寝心地は最悪だった。

言葉使いや表現が悪いのは多めに見ていただきたいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ