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第一一節 鍛冶工房見学は・・・

よろしくおねがいします

ギルド倉庫の手伝いも、今日で一応終わりになるということで気分よく、ギルド倉庫に向かうと・・・


荷馬車に、鉱石を積み込む作業をしている倉庫係の職員さんたちと、そこに指示をだしている倉庫責任者のアルバンさんの姿が見えてきました


そのアルバンさんは、眉間にシワを寄せ、なにやら難しそうなことを考えているような顔をしていました

その顔が脳筋っぽい出で立ちのアルバンさんには、あまりに似合わなかったので、少しからかい気味にアルバンさんに声をかけてみることにしました


「そんな怖い顔をして・・・どうしたんですか」

「この顔は生まれつきだ!!」

「それはそれで何だか可哀想そうですね・・・」

「ほっとけ!!」

「で・・・なにか問題でも・・・」

「いやぁ・・・問題はなにもねぇ・・・

 ただ、この鉱石を街の東にある鍛冶工房に納品すれば

 倉庫整理作業は漸く終わるんだなと思ってよ・・・」


なにげにそう返してきたかと思えば、アルバンさんは姿勢を正し、今回の支援に対する感謝の言葉を言ってきました


「一時はどうなるかと思ったが・・・本当に助かった・・・ありがとう」

「いえいえ・・・困ったときは助け合うのがギルド職員ですよ」

「そうだな・・・」


そんな受け答えをするのでした


その後、配達についての打ち合わせをしながら、鉱石の積み込み作業が終わるのを待ちました



配達員のお爺さんが御者をする荷馬車にアスと共に乗り、石畳の道をガタゴトと心地良い振動を感じながら街の東へと進んでいると、あちこちから金属を打ち付ける音がしてきました


「もうすぐ目的地の鍛冶工房だね」

「どんな人が、武具を作ってるんだろうね」

「きっと、厳つい矮人族の小父さんでしょう」

「意外と、妖精族のお兄さんだったりして・・・」


そんなことを話ている内に、荷馬車は目的の鍛冶工房に到着しました



店に入り、声を上げでギルドから来た旨を告げます


「こんにちは、ギルドからご注文の鉱石をお持ちしました」

「はい、は~い、今行きますね」


若い女性の声が聞こえてきて、ほどなく、店の奥から猫耳を付けた猫獣人族の店員が現れました


「こんにちは、ギルドからご注文の鉱石をお持ちしました」


改めて、ギルドから来た旨を伝え、伝票を見せ外の荷馬車を指差しました


「あら、ありがと、やっと届いたのね・・・

 それじゃあこっちに持ってきてくれるかしら」


といいながら、私たちを工房の奥へと案内してくれました



鉄の精製工程や、鋳造工程などを眺めつつ店員さんの跡を歩いていましたが、ふと、裏庭のほうに目をやると、片手剣を目の前に掲げ、刀身に手を翳しながら、何かを呟いている人を見つけました

何をしているのか見ていると、刀身が赤く輝き炎をまといだしました

その光景を見て驚いた私は


「店員さん、店員さん、あの職人の方は一体何をしているんですか?」


慌てて案内してくれている店員の方に聞いてみました


「あぁ、あれは作った剣が、付与魔術に耐えるかどうかの

 検査をしているのよ・・・

 粗悪品だと魔力の浸透が悪かったり、何かを切った時に、

 すぐに折れたりして駄目になるからね」


少し気になる言葉を耳にしたので、質問をしました


「付与魔術って何ですか?・・・それって私にもできるものなんですか?」


その質問に対し、店員さんは、目線を左上の方に向け、たどたどしく説明してくれました


「えっと・・・武器や防具なんかに、魔術的性質を一時的に

 付け加える魔術?だったかしら・・・

 例えば、今やっているみたいに剣に火の魔術を付与すると、

 切ると同時に切り口を焼いたりるすことができるわ・・・

 風の魔術を付与した場合は、斬撃を飛ばしたりと、

 いろいろと攻撃に幅ができるらしいわ・・・

 他にも、防具に火の魔術を付与させて耐熱性を増やしたり、

 風の魔術を付与させて防具を軽くしたりもできるみたいね・・・

 専門家じゃないから詳しくわ知らないけれど、

 たしか・・・武器や防具に属性の魔力を浸透させて、

 その魔力でもって魔術を発動させているって聞いたことがあるわ・・・

 だから、魔力操作ができれば誰でもできるんじゃないかしら・・・」

「属性の魔力を浸透させて、その魔力で魔術を発動か・・・」


そんなことを話していると、目的の場所についたようで


「さあ、ついたわ、ここに鉱石を置いてちょうだい」


店員さんがそんな指示を出してきました


「あっ、分かりました」


元気よく返事をすると、私とアスは、協力して鉱石を運びこみました


鉱石を馬車から鉱石置き場へと運び込みむ作業をしつつ


(障壁に魔術の付与ができれば、いろいろと面白いかもしれないと思い至り、

 次の休みの日に色々試してみよう)


と、心のメモに書き込むのでした



休日の朝、この日はアスに起こされる前に目を覚ましました

障壁に付与魔術が付与できるか色々試してみたくて、早く目が冷めてしまったようです


ちなみに私が現状でまともに使える魔術は、障壁の魔術と各種基本属性の初級魔術のみです

やはり、魔物が普通に跋扈するこの世界ですから、少しでも身を守る術を多く持っていたほうが色々と良いと思います


ギルドの共同井戸の近くにある広場で実験開始です

朝早いせいか、場所が悪いせいか、人があまりいないので実験には最適な状態です



実験其の一

障壁の一部に、魔術具工房で見た照明の魔術具のように鍵の模様を刻んでみる


結果

付与魔術は発動しませんでした


実験失敗


(鍵の模様が刻まれた障壁が展開されているだけで、

 魔力でできた鍵そのものがないからかな・・・)



実験其の二

別で鍵を展開しつつ、障壁にくっつけてみる感じではどうだろうか


結果

魔術は発動したものの、相乗効果のようなものはなかった


これまた実験失敗


(単に、複数魔術を同時に展開・発動させているだけのようだ・・・

 魔術道具のように魔力結晶を動力に魔術が発動したようなものか・・・)



どうしたものかと考えていた時、鍛冶工房の店員から聞いた事を思い出しました


『属性の魔力を浸透させて、その魔力で魔術を発動させる』という言葉を信じ、障壁を展開するときに、属性の魔力を練り込んだもので展開させてみることにしました


一メートル四方の水柱が目の前に発生する、水の初級魔術「アクアウォール」や、自身を中心に竜巻が発生する、風の初級魔術「ウィンドウォール」が発動するだけで、一向に障壁が展開することはありませんでした


一般的な障壁の魔術とは、どの属性にも属さない、いわゆる無属性結界のことをさすのですから、これに属性を付与するということは、その属性の結界を展開することと同じことになるのかな・・・

これはある意味成功なのか・・・


結局のところ、丸一日をついやして分かったことは、私の障壁には障壁用の魔力があって、それを使って障壁が展開しているということでした


まあ・・・障壁の魔術の特性が少しわかったので・・・いいかな・・・


ありがとうございました

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