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79.海⑤

すみません、投稿遅れました。


「美味しかった。満足」


 カザヤが空っぽの器を眺めながら言う。

 ちなみに、用意してもらえた食事は昨日と同じものである。

 食べるものが毎回変わるのが当たり前であると認識してるいレクスルは何か言いたげだったが、フーヤが何も言うんじゃないと目配せし、誰も一言も喋ることなく食事を終えた。


「喜んでもらえて嬉しいねぇ」


 おばあちゃんはそう言いながら食器を片付ける。

 奥でガチャガチャと皿を洗い始めたおばあちゃんを確認すると、カザヤは小声で話し出す。


「そういえば、フーヤ。この村にはいつまで滞在するつもりなの?」


「・・・・・・十日くらい?」


 カザヤの質問に目をそらしながら答えるフーヤ。


「ええと、それ長すぎじゃない?」


 カザヤがそう言ったのを見て、レクスルは小さくため息をつくとフーヤに問いかける。


「フーヤ、本音は?」


「今すぐ旅を辞めて、森の奥で隠居生活したい。事前に考えていた想定と概ね一致しているし、ここで生活するのが理想に一番近い気がする」


「そうか、真逆とは思うが、ルーン=ルナティック様との約束を違える気はないよな?」


「安心しろ、そのつもりならとっくの昔にしている」


 フーヤとレクスルのやり取りに目を白黒させつつも、カザヤが頭をかきながら話に割り込む。


「ちょっとだけ、前後の文脈というやつが読めないんだけど、とりあえず、しばらくはここに滞在するってことでいいのか?」


 フーヤがうなずくと、カザヤは満面の笑みを浮かべる。


「ならさ、探検しようよ。この村、周りの森も面白そうだしさ、海岸も何かお宝あったりするかもしれないし」


「・・・・・・行ってらっしゃい」


「いやいやいや、三人で行くんだよ。何で俺一人だけで行く感じになってるのさ」


 カザヤがフーヤの肩を掴み、揺さぶる。


「面倒臭い」


「そこは面倒臭がらずに行こうよ。というか、色々見て回った方がいいんじゃないか?ここに住みたいんだよな?」


「少し語弊がある。村にではなくて森」


「なら、やっぱり探検しておいて損はないんじゃない?だって、探検する場所森とか海岸だし、見て回った方がいいんじゃないかな」


「・・・・・・まあ、悪くはないか。生活圏を把握しておけば誰にも見つからないだろうし。逆に人の出入りがない場所も調べられるし」


「なんか、動機が微妙な感じしかしないけどまあ、よし、決まりということで」


「待て、行くのは構わないが疲れているし、明日にしないか?カザヤ」


 フーヤとカザヤのやり取りを黙って聞いていたレクスルが口を挟む。


「分かった。なら、俺は町中見て回るよ。本格的な冒険はまた明日で」


 カザヤはそう言うと、外へ出ていった。


「カザヤ、いつの間にか体力ついたよな。始めの頃は一番体力なかったはずなのに」


「・・・・・・寝れないか、試してみる」


 フーヤは短くそう告げると二階へ戻っていった。

 レクスルはそれを見送ると、ゆっくりとため息をつく。


「俺も二度寝したかったんだが、寝不足のフーヤを邪魔するわけにはいかないよな」


 レクスルはそう言うとおばあちゃんに声をかける。


「少し出かけてきます。昼までには戻りますので」


「はいはい、分かりましたよ。気をつけてねぇ」


 おばあちゃんは皿洗いの手を止めて、レクスルを見送る。

 レクスルは店から出ると海岸沿いに歩き出した。


 ◇ ◇ ◇


「レクスル、何してるの?」


「・・・・・・」


「おーい、レクスル?」


「・・・・・・」


「聞こえてる?というか、こんなところで何してるの?」


「・・・・・・」


「・・・生きてる?」


「生きてる。瞑想してるから邪魔しないでくれ」


 レクスルはそう答えると息を吐き出し、再び目を閉じる。

 村の外れ、森の入り口にあたるところの木陰でレクスルは瞑想をしていた。

 瞑想はレクスルがユウレイルから教えられた修行の一環でもあり、何より身体を休めることにも繋がるので疲労回復のためにも重要なことであった。


「瞑想っていうと、目を閉じて集中するみたいなやつだったっけ?」


「そうだな。カザヤが居ると集中出来ないことが分かったから中断するが」


 レクスルは目を開けて瞑想していた体勢を崩す。


「あ、ごめん、邪魔して・・・・・・あれ、そういえばフーヤは?」


 カザヤはレクスルの隣にストンと座る。


「・・・フーヤなら、二度寝出来ないか試すって二階に戻っていっていたぞ」


「なるほど、まあ結局寝れなくて本でも読んでるんじゃない?」


「確かにその可能性は高いが、少しでも寝た方がいいからな。寝れる可能性が少しでもあるなら寝て欲しい」


「まあ、多少不規則でも寝た方がいいよね、フーヤは」


「一緒に旅をして、初めてフーヤがここまで寝れないことを知った」


「そっか、というか、何でこんなに寝不足なんだろうね。寝たくても寝れないって感じだし」


「俺の見立てだと、どうも前世が関係してそうなんだが・・・・・・」


「どうして、眠れないんだろうね」


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