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転生者は能力を隠したままで隠居生活を目指したい!  作者: 虹夢 なうみ
魔法学校編
35/92

34.買い出し④


 人を無傷で捕えようという時、向かない属性の魔法というものは当然存在する。

 レクスルは火を扱う魔法が一番得意ではあるものの、どう考えても街中で使うにも人を捕らえるのにも向かないことは明らかだろう。

 そうなると、自ずと違う属性の魔法を使用することとなる。

 しかし、得意な魔法ではないとなると威力や瞬発力などが劣るのも事実。

 そして、実戦ではそれを補う工夫が必要である。

 フーヤは転生時に貰った能力で補えているが、レクスルはそういう訳にはいかない。

 そこで、ユウレイルから補うための方法を叩き込んで貰った。


「蔓よ、絡みつけ」


 レクスルが小袋から取り出した種にささやく。

 すると、種から伸びた蔓が二人の男に絡みつき、縛りあげる。

 口に猿轡のように蔓が伸びてるので声を出される心配もない。

 レクスルから教えて貰った方法というのは、実際に起こす現象を想像しやすくするというもの。

 種からは植物が育つというのは当然の理であり、レクスルも想像が容易い。

 詠唱も今のレクスルであれば無くとも魔法を使えるが、想像を補助するために声に出すと魔法を使いやすいのでそうしている。

 最も、決められた詠唱ではないので無詠唱と同様に驚かれることは間違いない。

 フーヤと全く同じ方法とはいかないものの、フーヤと比べても引けを取らない程度にはレクスルも成長している。


「とりあえず、足を折って何処か邪魔にならないところにでも転がしておくか?」


 レクスルがそうつぶやくと、縛られた男たちは声にならない叫びをあげ、身をよじる。


「まあ、そこまで酷いことをするまでもないか」


 レクスルはそう言うと蔓の縛りあげる力を少し強めて、そのまま歩き出す。

 すると、蔓も後を追うようにしてレクスルに浮遊しつつもついていく。

 縛りあげられた男たちは半ば引きずられるようにして移動する他なかった。


「着いた」


 レクスルは先程フーヤに教えてもらった拠点に到着した。

 拠点は廃墟というか、いつ崩れてもおかしくないような家である。

 そもそも、フーヤとレクスルが来ていた薬草屋がある場所が既に治安が悪いことで有名な裏路地だったのである。

 その奥ともなれば、推して知るべしといったところだろう。

 白の壁はくすみきって灰色で、ところどころ剥がれて黒ずんだ木が見えている。

 草木も伸びっぱなしで建物自体にも侵食しているようだ。


「どちらにするか・・・・・・」


 レクスルが悩んでいるのは人質である女の子たちを先に助けるか後に助けるかである。

 先に助けることの問題点はひとつ。

 助け出した後で匿っておける安全な場所が無いことである。

 安全な場所が無いとなると、下手に助け出した方が危険にさらすことになりかねない。

 当然、後に助ける方を選んだとしても人質としての危険がある。

 悩むのは必然と言えるだろう。

 フーヤが居ればどちらを選んだにしても問題ないだろうが、今はレクスル一人である。

 そこで、レクスルが選んだのは──


 ◇ ◇ ◇


「グエッ」


 断末魔の叫びを上げて一人の男が倒れる。

 レクスルが選んだのは単独行動している奴を一人一人行動不能にして、その後で集まっている奴らを一網打尽にしようというもの。

 ユウレイルから教えられた電気ショックを与えて行動不能にする魔法を使った後で蔓で縛り上げる。

 その後は先に捕まえた男たちと共に外に放置である。

 なお、念のために先に捕まえた男たちにも電気ショックを与えているためご愁傷さまとしか言いようがない。


「これで単独行動しているのは全員か・・・」


 捕まえた男たちを見つつも、探知の魔法で辺りを探る。

 捕まえた4人以外の9人は人質でもある拐ってきた10人の女の子が閉じ込められている部屋の隣の部屋に集まっているようだ。

 恐らく、この犯行を企てた首謀者もその中に居るだろう。

 勿論、人を誘拐などというのは当然犯罪である。

 しかし、街の治安維持をする警備隊が機能している場所としていない場所というのが出来ている現状では治安の悪い場所では平然と犯罪行為がまかり通っている。

 それ故に治安の悪い場所を通る際は自己責任という風潮が強い。

 しかし、だからと言って犯罪行為が許されていいはずがない。

 レクスルは気合を入れると探知の魔法の精度を上げて部屋の中の様子を探る。

 円になるように座っていたり、ある者に至っては寝転んでいる。

 座っている奴にも、腕をくんで居眠りを決め込んでいる奴も居る。

 面倒を少しでも減らすため、寝ているやつには電気ショックの魔法をかけておく。

 気を失った影響で横に倒れたようだが、そもそも居眠りしていた奴なので気にする者は特に居ないようだ。


「さて、ここからどうするか・・・・・・」


 レクスルは考え込み、やがてひとつの結論に達すると目を閉じ、意識を集中し始めた。


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