創造魔法と想像魔法
私の名前はテロス。知性を持つ人々が暮らす世界である。
私はかつて、世界中を旅していた。その時に見つけた術式『創造魔法』その構造を理解し、実際に発動させたことで私自身が世界となった。
世界となったといっても、自身の分身としてかつての私の姿で私の星で自由に過ごせるため退屈ではない。至って普通に暮らす人族だ。
そう、世界は…星は、いくつも存在している。私が生まれ育ったテロリッサを始めとして幾百、幾千…いや、それ以上の星が存在しているといわれても信じるだろう。
しかし、その事実を知るのもまた星だけである。
いわば、各世界で必ず存在する神様とは私たちのことである。
私たちは互いに干渉しない。
ただ各世界には必ず『星になる』魔法が眠っていて、星の寿命が残り1万年近くになると世界の秘境のどこかに現れるという。
そして、私たちはそれを見つけ出し、また星になる。そうやって私たちは永遠を生きている。
たまに私のような者が先に見つけ世代交代をするときもあるが、それは極めてまれであるといえる。何故ならそれはその世界がもう満足したと来世をあきらめたことを意味するからだ。世界であれば世界のどこに何があるのかを調べることは片手間で出来るからである。
だけど偶に、見つけてもいないのに見つける子も出てくる。例えば今のテロスにする人々とかね。
見つけたのは凡そ400年ほど前のかつてルナーラ王国と呼ばれた国の第4王女テラリッサだ。
彼女はとにかく本を読むのとなんでも探す…いいや、研究というべきか?とにかくそういったことが好きな子だった。
そんな彼女だからこそ見つけてしまったのかもしれない。
魔法陣に目をつけ、誰でも魔法を作れるようと魔法陣の研究にその生涯を賭した彼女だからこそ見つけてしまったのだろう。魔法と世界の秘密を…
そして彼女を遺志を引き継いだのは、彼女の世話をしていたメイドの孫であるリリアナである。
リリアナはテラリッサによく懐いていた。王女でありながらその生涯を独身で過ごしたテラリッサの元へ家を抜け出しては会いに行った。テラリッサもリリアナが来たときは歓迎し、偶に研究の成果を見せていたりした。だからこそ、リリアナは成人してからは本格的にテラリッサの弟子として更に彼女の近くに居続けた。
テラリッサはその生涯を閉じる数年前に、創造魔法を見つけた。そしてその“内容”も理解した。
しかし、テラリッサの取った行動は、世界になることではなくその生涯を終わらせること。そしてこの創造魔法を世界になる為の魔法ではなく、誰でも想像したものを作れる魔法として完成させる決意をした。
しかし人生のほぼすべてを掛けて見つけた魔法をどうすることもできず、彼女は世界に還った。
リリアナはそんなテラリッサの意思を引き継ぎひたすらに創造魔法の研究にいそしんだ。
しかし結果は、数百年とその意思を引き継いでも未完成であった。