第九話 ん
あらすじ
ハーレム主人公ベルきゅんの優しさが辛い。
煙草でも吸って気分転換しよ。
.........煙が目にしみるぜ。
さて帰るかと元来た道を戻ろうとしたその時、林の奥の方から女性の悲鳴が聞こえて来た。
「誰かっ!助けて!」
俺は悲鳴が聞こえた方向に駆け出す。高ステータスのおかげなのか、木が生い茂る林の中でも全速力で走ることが出来た。
(見つけた)
女性の上に男性が覆い被さっている。
俺はすぐさま男の首根っこを掴むと走って来た方向にぶん投げた。「グェ……」と男は潰れたカエルみたいな声を出す。
まあ実際潰れたカエルがどんな声出すか知らんが。
「大丈夫ですか?」
女性に声をかけたが「…ひぃ」と顔を引きつらせて縮こまってしまった。
相当怖い目に遭ったようだ。男性というだけで俺まで怖がってしまっている。
そんな彼女の服ははだけており、何をされたのかは想像に難くない。
俺はさっき男を投げた方に行き未だ喘いでいる男の胸ぐらを掴んで問いただす。
「おい、クソ野郎。てめぇ女を犯そうとしたな?」
「ハァ"ナァ"セェ"」
苦しそうに足をバタつかせる男。
ゴボゴボと何言ってるかわからないので手を離す。
「もう一度だっ!――女を無理やり押さえつけて何をしようとしてたんだ!」
ゼエゼエと必死で深呼吸を繰り返す男は俺を鋭く睨む。
「さっきあんたが言った通りだよ!女を犯して何が悪い?別に減るもんでもねぇしよぉ…」
男はそういうとよろよろと立ち上がったが、その瞬間ポケットに隠していたナイフを取り出し俺めがけてナイフを突き刺す。
が、
俺は完全にナイフの軌道を読み半身だけ身体をずらすと前へバランスを崩した男の足をまるで刈るように左足で払う。
男は足が払われたことで地に顔を任せることになりまたしても潰れたカエルのような鳴き声を出す羽目になった。
今度は喘ぐ間も無く意識を失っていた。
これでしばらくは起きないだろうと振り返り未だぶるぶると震えている女性のもとへ近づいた。
「立てるか?」
「…………」
黙ったまま震える女性。
(…ハァ)
女性と接した経験があまりない(マリアさんぐらい)為、どうしたら良いものか考えあぐねる。
―――
「…っ……と」
「ん?」
「………ありが…とう」
「ん」
――これほど女性経験の無さを恨んだ日は無い。
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トリプル5達成!ありがと茄子!
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