第五話 お願いです。ベル様!ベル閣下!一緒に魔王退治に来て下さいッ!
11/24 フィジーの口調を訂正。文章を一部改稿しました。
あらすじ
三人の美少女が仲間になった。
一人の少年が仲間になりたそうにしている。
「ベル・ノイトラです。どうか勇者様と一緒にお供させて下さい。」
俺の方に駆け寄ってきた少年は藁をも縋る思いでお願いしてきた。
「兄!?」
「ベルッ!?」
「ベル様!?」
えっ?兄ってお兄ちゃんの事か?てか、みんなの知り合い?
三人の少女がそれぞれ少年の方へ駆け寄っていく。
「ならん、ならんぞ!これは国の掟じゃ。次期国王たる者がそれを破ってどうする?」
ん?次期国王?どういうことだ?
俺の頭の上にはてなマークが乱立する。
えっと、フィジーが兄って言って、アーデントが呼び捨て、王女様は様付?
頭の中がぐちゃぐちゃになったが、どうやら少女三人は少年の関係者らしい。何やら四人で話合っている。
「………兄よ……何故来た?」
フィジーが怒っているようで何処か悲しそうな顔で言う。
「そうだ。姫様と妹君は私が必ず守るとあの時約束したはずだ。」
アーデントも口では厳しく言い放つがやはり物悲しい様子。
「ベル様、魔王を倒して我が国の平穏を勝ち取る為にも貴方様にはこの国をしっかり支えていってもらわなければなりません。」
王女様も困り顔ではあるが断腸の思いなのが伝わってくる。
つか、完全にアウェーなんですが………
まるで俺が三人をドナドナする悪者みたいになってるんですが………
俺が完全に空気になる一方で四人劇場は依然と進んでいく。
「でも、僕は君たちに任せてのほほんと待つ事など出来ないんだ!ねえ?勇者様?荷物持ちでも何でもするから、連れていってくれ!」
ついには土下座してお願いしてきた。
そういう文化あるのか。
「ならんと何度も言っておるだろう!これ以上は勇者殿にも迷惑が………『是非ともお願いします!』」
国王が頑なに少年の申し出を拒もうとしていたので俺はとっさに助け舟を出した。
「へ?」
国王はあまりの突拍子に呆けている。それもそのはず………
「お願いです。ベル様!ベル閣下!一緒に魔王退治に来て下さいッ!」
土下座返しをする勇者イツキの姿があった。
毎日0:00と20:00に投稿予定です。
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