二夢 産腐人科
ここはとある産婦人科。ここの職員の大半はユダヤ人であり、彼らに安息はない。
「●●●、今日は●●●と●●●」
「分かったよ●●●」
今産婦人科に入ろうとしている二人組も、またユダヤ人である。
二人はデッキブラシを手に、産婦人科の門を潜る。
瞬間二人の鼻を襲うのは、激しい腐敗臭と甘い香り。嗚咽を誘うその香りを耐え、並ぶ椅子群を横切っていく。
二、三十秒そのまま歩いていると、ベットで埋め尽くされた空間に出た。
二人はそのベットの上手に横たわる干からびた水浸しのヒトガタを、一つ一つ丁寧に整頓していく。
丁度整頓し始めて数十体目の時、見覚えのあるヒトガタが。
「●●●だ」
「ああ、●●●だ」
記憶に新しいそのヒトガタは、二人を見ると微笑み、謝罪した。
「謝ることはない」
「そうだ、謝ることではない」
二人は彼女にそう返すと、彼女を整頓した。
二人は去り際に、彼女の横にある給水ポットの上手に歪な形をした小柄な頭蓋骨を供えた。
「すまなかった」
「そうだ、すまなかった」
二人が謝ると彼女は、「また三人で会えるよね」と言う。
「そうだとも」
「会えるとも」
二人はそう返して産婦人科を後にした。
何の夢なのか筆者にもわからない