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【1】俺は幽霊なんか信じない!

「なぁ、幽霊って信じるか?」




俺はダチである木更津直樹のそんなバカらしい質問に即答した。




「信じねぇよ、バカ」




「なっ…!?バカとは何だ、バカとは!?」


「うるさい、耳元で叫ぶな」



あまりのうるささに俺は耳を手で塞いだ。



「バカなもんはバカなんだ。潔く認めろ、私はバカですってな」



「なんだとぉ!?いいか?バカって言う方がバカなんだ!覚えとけ!!」




うわぁ……。




言っちゃったよ…。決まり文句言っちゃった……。




「小学生じゃあるまいし。まだそんなこと言ってんのか、バカ?」




俺がそう言うと、直樹は猿みたいに

「むき〜!?」と叫んで、1人で勝手になんか喋っていた。



もちろん俺はガン無視。




まったく…迷惑ったらありゃしない。




因みにここは、放課後の学校の図書室。


もちろん他の生徒や担当者の先生がいるわけで……。







「こら、そこ!?」




そんな怒声に直樹の動きが止まる。




直樹は恐る恐る後ろに振り返って、青ざめた。




「ゲッ……ババァ」




直樹がボソッと呟いた。




ババァ…まぁ、そのままだけど……。



江田洋子(50歳)

図書室担当の先生だ。





はっきり言うと、口うるさく、あまり生徒には好かれていない。




「ここは図書室ですよ!?周りの迷惑になります。静かにしなさい!!」




ババァの怒声に、勉強をしていた何人かの生徒が迷惑そうに顔をしかめた。




お前がうるさいよ、ババァ……。



と言ってみたい。

が言わない。



言えば、更にあのうるさい怒声がパワーupするから……。









「あっ……」







俺はあることに気付いた。




幽霊なんて信じないなんて言ってはみるものの…。



やっぱり……。




「気付かないようにしてたのに……」



俺はそう呟いて、溜め息つき、ババァの後ろを見た。




女が立っている。



髪の毛がやたらと長い。

だらしなく垂れた髪の間から覗く、妙に光を放つ気味の悪い瞳。




じっと、ババァを見つめている。






ババァ…なんかしたのか?










な〜んてな…。




女なんていないいない!




いるわけねぇじゃん。






幽霊なんてさ…。







俺は幽霊なんか信じない!?

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