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ストーカーの純恋愛

作者: 烏村そらまめ

≪キャスト≫

京子 ♀

 主人公。場の空気を読むのが非常に苦手。思い込みが激しい。悪気は全くないが、好きな人にストーカーをしてしまう癖がある。ヤンデレ


美咲 ♀

 京子の好きな先輩。おっとりしていて優しい。しかし、病的に人の目を気にしてしまう。成績は全国でもかなり高い。生徒会長で美術部の部長。みんなからの信頼も厚い。


拓也 ♂

 美咲の彼氏。情緒不安定。美咲のことが大好きだが、美咲は周りからの目のために拓也と付き合っている。それを拓也は気が付いておらず、美咲も自分の事が好きだと思っている。


律子(母) ♀

 京子の母親。一郎と不倫をしている。優しいが少しおてんば。一郎のことが好き。京子のことをとても大事に思っている。


一郎(先生) ♂

 京子の主治医。小児科医。美咲の父親。真面目で娘には厳しいが、自分は患者の母親と不倫ばかりしてる。


第一章

 場所は京子の部屋。中央の布団で寝ている京子

京子:…知らない天井だ。


 京子、周りを見渡し、立ち上がる。


京子:ここは…どこ、なんだろう…。私は…だ、れ…?


そこにお母さん登場


律子:京子…?京子、あなた…あなた、目が覚めたのね…


 律子、京子を抱きしめる


律子:ああ…よかった…あなたが校外学習で誰かに楓山の崖から突き落とされて大怪我を負ったって聞いた時は本当に、ほんっとうに心配したんだからね…?ああ、でも、良かった……本当に良かった……生きてて、本当に、良かった……。

京子:あ、あの…

律子:あら、ごめんね。お母さん、あんまりにも嬉しくて取り乱しちゃったわ。京子、お腹空いてたりしないかな。お粥くらいならすぐ作れるけど…

京子:そうじゃ、なくて…

律子:ん?なに?

京子:あなたは、誰、ですか……?

律子:…え?

京子:ここは、どこ、ですか…私は……私は、誰、ですか……?


 暗転


 舞台転換はなし。京子の主治医が登場。一郎と律子が話している


一郎:これは…外傷性脳損傷による高次脳機能障害ですね。

律子:こうじのうきのうしょうがい?

一郎:いわゆる、記憶喪失とよばれるものです。

律子:記憶喪失…ですか。

一郎:はい。どうやら、京子さんは事故によって精神的に大きな打撃を受けているようです。

律子:治るんでしょうか…。

一郎:…分かりません。山での事も、天候の悪影響のせいで事故か事件かもまだ発覚していないのが現状です。記憶を失った本当の理由が分からないので、まだ、何とも言えませんね。

律子 :どうしたら、いいんですか…

一郎:それ…は…

律子 :京子は、今までの思い出も、何もかもを忘れてしまっているのです。それではあまりにもかわいそうすぎます…どうにか、どうにかならないんですか?!

一郎:お母さん、落ち着いて、落ち着いてください。

律子 :ご、ごめんなさい…

一郎:そうですね…。おそらく、事故前と同じ状況下に京子さんを置くことが大事だと思われます。変に環境を変えるより、その方が良いでしょう。

律子 :わ、分かりました。学校に、今まで通り通わせるってことですか?

一郎:そうですね。そうしてあげてください。

律子:わかりました。学校にも今まで通り、通わせます。

一郎:そうしてください。では、私はこれで…。

律子:待って、先生。

一郎:どうしたんですか?

律子:先生…いえ、一郎さん。

一郎:…はあ。だめですよ、律子さん。ちょっと前ならまだしも、今はもう京子さんも目を覚ましているのですから。

律子:でも…

一郎:それに、もうすぐ旦那さんも帰ってくるのではないですか?

律子:…

一郎:…仕方ないですね。(手に持っているファイルで隠してキス)

律子:一郎さん…

一郎:では、また。

律子:はい…。


 暗転



第二章

 登校中。歩いている京子の元へ美咲が来る

美咲:京子ちゃん…?

京子:(振り向く)(ここで京子は恋に落ちる)

美咲:ああ、やっぱり京子ちゃんじゃない!良かった。事故にあったって聞いてから心配してたのよ…?

京子:あの…どちらさまでしょうか。

美咲:ああ、ごめんね。京子ちゃんの状況はお母さんからちゃんと聞いているわ。私は美咲。美術部の部長と、学校の生徒会長を掛け持ちしているわ。京子ちゃんとは小学校に入る前からのお友達なのよ?

京子:そう…なんですね。

美咲:本当に…本当に覚えてないの?

京子:はい…。ごめんなさい。

美咲:うん…大丈夫。忘れられてしまったのは悲しいけれど、きっとすぐ思い出せるわ。私も協力する。

京子:あ、ありがとうございます。

美咲:京子ちゃんのお母さんにも頼まれちゃったものね。力になれるかは分からないけど、がんばるわ。

京子:あ、あの…美咲…先輩?

美咲:ん?どうしたの?京子ちゃん。

京子:私…私、美咲先輩が好きみたいです


 暗転



 第三章

 場所は家。ちゃぶ台の前で律子が洗濯物をたたんでいる。京子、家に帰ってくる

律子:あら、京子、お帰り。学校どうだった?

京子:  お母さん!

律子:ど、どうしたのそんなに慌てて。

京子:私、美術部に入る!

律子:あら。どうしたの

京子:私…私、美咲先輩のことが好きなの!

律子:そうねぇ。京子は小さいときから美咲ちゃんのことが大好きだったわよね。

京子:そうじゃなくて…

律子:ああ、もうこんな時間。お母さんスーパーの特売に行かなきゃならないから、そろそろ行くわね。

 律子、はける

京子:あ…うん。

律子:そうだ。記憶を戻す手がかりになるんじゃないかなって思ってあなたのアルバムの2階から持ってきたわ。時間があったら見てみて。じゃあ、行ってきまーす!

京子:…慌ただしい母親だな…。

 京子、積んであるアルバムを手にとって見始める

京子:これ…美咲先輩かな…。本当に幼なじみなんだ…。でも…全然覚えてない…


 間

 音響 玄関のチャイム


京子:はーい

 京子、玄関のドアを開ける。そこには美咲

京子:みっ…美咲先輩?!

美咲:こんにちは!京子ちゃんのこと心配で遊びに来ちゃった!

京子:は、はいっ…

美咲:そんなに緊張しなくてもいいのよ?

京子:だ、だって…

美咲:私達は幼なじみなんだから。昔はよく遊んでたじゃない。

京子:……

美咲:ああ、ごめんなさい…覚えて、ないわよね。


 間


美咲:…あ、それアルバム?私も一緒に見ていいかな?

京子:は、はい。どうぞっ

美咲:そんな堅くならないで。タメでいいから。

京子:いや…その、慣れるまでは敬語で…

美咲:そっか。そういうことなら、仕方ないわね。いいわよ。


 京子と美咲、ちゃぶ台の前に座り、アルバムを見始める


 間


美咲:これ…ああ、小3の時に東京に遊びに行ったときの写真だ!

京子:一緒に行ったんですか?

美咲:そうだよ。私と京子ちゃん、私のお兄ちゃん、あと、私達のお母さんの5人で行ったじゃない

京子:お兄さん?

美咲:そう。私のお兄ちゃん。優太っていうんだけどね、京子ちゃんとも仲が良かったのよ

京子:全然覚えてないです…

美咲:そっか…なんか寂しいね。

京子:優太…さん?は、今美咲先輩の家にいるんですか?

美咲:今は…今は遠くの大学に通うために一人暮らしをしているわ。

京子:そうなんですか…。会ってみたかったな。

美咲:実家に帰ってきたら京子ちゃんのことも呼ぶわ。まあ…帰ってくるか、わからないけど。

京子:家族と…喧嘩でもしたんですか?

美咲:喧嘩っていうか…お兄ちゃん、まじめに勉強してなかったから、追い出されちゃったの。

京子:え…?勉強なんか私も全然してない…

美咲:うちは父親が厳しくて…。お父さん、厳しくてね、テストはいつも満点じゃなきゃだめ、とか、全国模試でも全国順位が10位以内じゃなきゃだめとかずっと言ってる…。

京子:厳しいんですね…。

美咲:まぁね。でも、お兄ちゃんが不真面目な人な分一応勉強はちゃんとやっているから家の中でも比較的楽にやらせてもらっているわ。

京子:そう…なんだ。かわいそうです…。

美咲:慣れれば全然平気よ。

京子:でも…なんか、嬉しいです。また1つ美咲先輩のことを知れた。

美咲:え?

京子:あ、いえ、なんでもないです。


 間


美咲:そういえば、今日変なこと言って居なかった?

京子:えっ?

美咲:私のこと、その…好き、とか…。

京子:……

美咲:勘違いかな?ああ、私、なに言ってるんだろ。恥ずかしい…。京子ちゃんが好きって行ってくれたのは京子ちゃんが小さい時だけのことなのに…。はあああ…(手で顔を覆う)

京子:…言いましたよ

美咲:…へ?

京子:私…私、美咲先輩のこと、好きです。

美咲:ふえ…?…ああ、うん。あはは、突然言われると照れるね。私も京子ちゃんのこと好きだよ。

京子:っち、違う!!

美咲:ど、どうしたの、急にそんな大声を上げて。

京子:違うんです…。好きって、そういう意味じゃなくて…

美咲:どういう…こと?

京子:美咲先輩と話したとき、なんというか…胸の奥の方が、あったかくなったんです。

美咲:え…

京子:記憶を失ってから初めての感覚でした。なにか、懐かしい感じ。もしかしたら記憶を失う前も同じ感情を持っていたのかもしれないです。

美咲:…へ?

京子:私…私ね、美咲先輩に恋をしちゃいました。


 間


美咲:き…京子ちゃん、急にどうしたのよ。やめなさい。そんな冗談。

京子:冗談なんかじゃないです!!

美咲:ひっ…

京子:現に、今も美咲先輩が近くにいるだけでこんなにドキドキしてる。

美咲:京子ちゃん…。

京子:私、美咲先輩のこともっと知りたいです。だから、これから毎日一緒に登校しても、良いですよね?

美咲:そのくらいなら、いいけど…

京子:あと、お昼休みも美咲先輩の教室に遊びに行きます。私、美咲先輩と同じ部活に入りたくて美術部への入部を決めました。

美咲:…

京子:これから、よろしくお願いします。美咲先輩。


 暗転



第三章

 登校中。拓也と美咲が二人で歩きながら話している

拓也:その京子ちゃんっていう人がやろうとしていること、ストーカーだよな。全く。同性で、しかも年上の人にそんなことするなんて。非常識だろ。

美咲:そ、そんなことないわよ。京子ちゃんだって嫌がらせをしようとしてやっている訳じゃないわ。

拓也:でもなあ…

美咲:それに、さっきも言ったけど京子ちゃんは記憶をなくしているの。優しくしてあげないと…。

拓也:…その京子ってやつ、記憶を失う前はどうだったんだ。今みたいにストーカーまがいのことされていたのか?

美咲:それは…

 そこに京子登場

京子:はあ、はあ、はあ、美咲先輩!!

美咲:京子ちゃん?!

拓也:あれが京子…。

京子:もー。なんで先行っちゃうんですかー?一緒に登校するって昨日言ったのに。

美咲:それは…

京子:美咲先輩…その人、誰ですか。

美咲:ああ、この人は私の彼氏の拓也で…

拓也:おい、お前が京子か…

京子:へええええ~。彼氏さんかあああああ。ふ~~~ん?(拓也の近くに寄り、顔を眺める)

拓也:な、なんだお前。

京子:拓也…先輩。

美咲:京子ちゃん!拓也に変なことしないで!

京子:変なこと…?別に、変な事なんてこれっぽっちもしてないし、やるつもりもないですよ。

美咲:京子ちゃん…。

京子:それとも…

美咲:へ?

京子:(声のトーンを落とす)美咲先輩、私のこと嫌いなんですか?

美咲:え?

京子:疑っているんですよね?それって私のことが嫌いってことですよね?私のこと、昨日、好きって行ってくれたのに私、すごく嬉しかったのに…あれは嘘だったんですか…?

美咲:そ、それは、違くて…

京子:(声のトーンを戻す)そうですよね!美咲先輩も私のこと好きなんですもんね。わかってますよ~。

拓也:京子、お前、頭大丈夫か?

京子:え~なんですか。初対面の人に失礼じゃないですか?私は至って正常ですよ。

美咲:そ、そうよ。拓也。

拓也:でも…

美咲:本当に大丈夫だから…。

拓也:美咲がそう言うなら…。

京子:あーーー!!もうこんな時間だ!美咲先輩、急がないと遅刻しちゃいますよ?!

美咲:あ…うん、そうだね。じゃあ拓也も一緒に…

京子:ほら、早く行きますよー


 京子、美咲の手を引っ張ってはける。


拓也:な…なんだったんだ…あいつ。


 暗転



第四章

 場所は廊下。パンを食べる美咲と拓也。そこに京子

京子:あっ!美咲先輩!!

拓也:おいっ、お前また来たのか。

美咲:拓也、そんな言い方…

京子:美咲先輩、今日はパンなんですね。昨日と一昨日はサンドイッチでしたけど。私今日は美咲先輩と同じものが食べたくて購買でサンドイッチを買ってきたんですけど、今日はおそろいじゃなかったかー、残念。

美咲:き、京子ちゃん、クラスのお友達とお昼休みを過ごせばいいのに。

京子:私は美咲先輩と食べる方が楽しいですもん。二人だったらもっと良いのに…

拓也:あーあ。俺は邪魔者かよ。

美咲:拓也…邪魔者なんかじゃないから、そんなこと…

拓也:うるせーよ!俺だって嫌なんだよこんなやつといるのは。

美咲:こ、こんなやつなんていう言い方…っ

拓也:ほら、またそいつをかばった。うざったいそんなやつとなかよくするなんて、俺とは結局遊びだったんだろ?!もういいよ!俺、友達と飯食うから!!

美咲:拓也!!


 拓也、はける


京子:…あーあ、行っちゃいましたね

美咲:……

京子:でも本当は嬉しいんでしょ?私と二人きりになれて。

美咲:嬉しくなんか…ない。

京子:え…?

美咲:サッカー部の部長で成績も人望もそこそこ…。世間で良いといわれるような彼氏だったのに…

京子:美咲…先輩?

美咲:な、なんでもないわ。じゃあ、お昼食べよっか。

京子:はい!


 暗転



第五章

 時間は下校中。拓也と美咲が二人で歩っている

拓也:美咲…さっきはごめん。

美咲:大丈夫。演技だってちゃんと分かってるから。

拓也:よかった…まあ、ちょっと本当に焦ってもいたんだけどね…

美咲:そうなの?

拓也:美咲さ、本当は京子ってやつのことどう思ってんの?

美咲:えっと…

拓也:それによっては俺…もう、美咲とは…


 そこに手をつないだ一郎と律子が登場


美咲:あっ、おばさん!と…え、お父さん…?

律子:み、美咲ちゃん?!

一郎:み、美咲…

美咲:な、なんでお父さんは京子ちゃんのお母さんと手つないで…

一郎:こ、これは…

拓也:え、み、美咲…?どういうこと…?

一郎:そ、それより、こ、この子が拓也君か?うちの美咲がお世話になってるね。おー、思っていたとおり良い子そうな少年だ。うん。

美咲:お父さん?

一郎:な、なんだね?

美咲:自分の事、ちゃんと説明して?

一郎:こ、これは…

美咲:お父さん。話して。

一郎:これは…

美咲:不倫、だよね

一郎:えっと…

美咲:そう、なんでしょ?

一郎:…

美咲:ふざけないでよ…世間の目は大事だとか私達に言っておいて、お兄ちゃんなんてそれに苦しんで壊れちゃった…これ以上、何を壊すの…?

一郎:こ、これは勘違いで…

美咲:うるさい!!(美咲、一郎の頬をビンタ)

一郎:…っ?!

美咲:もう…私の前に姿を見せないで。


 暗転



第六章 

 場所は廊下。美咲がサンドイッチを持っている。そのとなりに同じサンドイッチをもっている京子

京子:あ、今日は拓也先輩いないなんですね、美咲先輩。

美咲:……

京子:私、今日はやっと同じサンドイッチを食べれて嬉しいです!えっと、美咲先輩はどうして食べていないんですか?ダイエット?

美咲:食欲、ない…

京子:ええー、ちゃんと食べなきゃだめですよー?

美咲:……

京子:なにかあったんですか?

美咲:全部…全部あんたのせいだ……。

京子:へ?

美咲:あんたがまた意識を戻さなければストーカーをされることも、拓也が私から離れていくことも、なかった……

京子:どうしたんですか…?

美咲:そもそも、あの事故で命が助かっていなければお父さんがあんたの家にいくことなんかなかった…

京子:美咲、先輩……?

美咲:あんたのせいで…あんたのせいで、あんたのせいで……っ!!!


 美咲、サンドウィッチを落として京子の首を絞める


京子:みさ、き、ちゃ…

美咲:あんたなんか、あの事故で死んでいれば良かったんだ…っ!!死ね、死ね、死ね死ね……!!!

京子:……っ

美咲:知ってる?私があんたのせいで彼氏に捨てられたの2回目なんだよ?

京子:?!

美咲:あの事故の前…あんたは私に全く同じ事をした…。あんたがいやだったから、あのときの彼氏は私から離れていった。野球部のエースで、頭も良かったからポイント高かったのに……

京子:みさ……き……ちゃ……

美咲:お父さんのことも…っ!あんたがあんな事にならなければお父さんがあんたの家に行くこともなかったっ!!あんたの母親…あのクソビッチに近づくこともなかった……!!

京子:やめ…て…

美咲:あんたは知らないだろうけどね。あんたのお母さんと私のお父さん、不倫してたんだよ。やっぱりバカの親はバカなんだね。もしかしてあんたもビッチなのかな(笑)

京子:ん゛ん゛…っ

美咲:苦しめよ、苦しめよ、苦しめよっ!!!めいいっぱい苦しんで、そして…死ねーーーっ!!!


 そこに拓也登場


拓也:美咲…?なに、やっているんだ?

美咲:……っ?!


 美咲、京子から手をはなす


拓也:お前…今、京子の首…

美咲:こ、これは違くて…

拓也:美咲…

京子:ねえ…私…全部思い出した……

美咲:え?

拓也:京子ちゃん?

京子:あのとき、私を殺そうとしたのは…美咲先輩、ですよね


 暗転



 エピローグ

 暗転したまま。ニュースの音が流れる

音響:今月3日午後4時50分ごろ、楓市楓山で、「中学くらいの女の子が崖から落ちて血を流している」と登山中の女性から119番がありました。この同市に住む中2の女子生徒(14)が重傷を負っていたが奇跡的に命に別状はなかった事件で、容疑者の被害者の同校の女子生徒(15)が逮捕されました。容疑者は「悪気はなかった」と話しており……


 スポット。中央に京子。


京子:これを先輩が望むなら…


ポケットからサバイバルナイフを取り出す


京子:私はバカです…。これでも先輩のこと嫌いになれない…


 膝立ちで俯き、首もとにサバイバルナイフを突きつける


京子:先輩……愛してます


 京子、首にサバイバルナイフを突き刺す


 暗転


 閉幕


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