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そうだ、異世界に行こう。  作者: 花様月蝶
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プロローグ

 俺の名前は、上條奏かみじょうかな。26歳、独身。彼女は今まで出来たことはない。

仕事は、異世界管理センターの平社員。そろそろ、支部が変わる頃だろう。

俺の心とは反対に、家に続く桜並木はとても華やかで。けれども、どこか儚い。

幸い、俺の住むマンションからは桜並木が見れるので一人寂しい花見ができる。思い立ったら即行動だな。

近くのコンビニエンスに入り、缶ビールとつまみを買うことにした。


 お気に入りの缶ビールと、美味しそうなつまみを手に取りレジに並ぶ。レジの人は、せわしなく動き回っている。

順番が回ってきた。ピッピッ、と音をたてて商品が読み込まれていく。合計で980円だ。手元になかったので1000円で支払った。お釣りの下におかれたレシートは不要なので捨てた。

ちょうど新しい漫画雑誌が出ていたので立ち読みをする。清掃していたバイトらしき若い男に舌打ちをされた。気にしないでおいた。

他にも何冊か立ち読みをして、出ることにした。あまり面白くなかった。

「ありがとうございやしたー」と、やる気のない店員の声で見送られた。


 俺の住むマンションは、年代にしてはとても古い。エレベーターではなく階段だ。しかも4階なのでとても辛いが慣れたものだ。

誰もいないひっそりとした部屋に、帰りを告げた。誰の返事も返っては来ないが。

カーテンを勢いよく開ける。桜並木には仄かな街灯が点っていた。もう、ほんのり暗くなっている。日が暮れるのがとても早い。

窓を開け、折り畳み式の椅子と机を設置し、品物の入った袋を置く。

花見をしようと思ったのだがスーツだったので、シャワーを浴びることにした。


 頭と体を簡単に洗い、体をふき寝巻きに着替える。

椅子に座り、缶ビールをぷしゅ、と開ける。良い音だ。コップに入れるのが面倒なのでそのまま飲むことにした。

…相変わらず、美味しいものだ。

桜を横目につまみを食べる。そしてビールを流し込む。…旨いものだ。

周りが静かで落ち着かないので、趣味である音楽を聴くことにした。ジャズが好きなので、お気に入りの作曲家にした。


 プルルルル…というスマホが鳴る音で覚醒した。…うとうとしてしまったらしい。

スマホには、友人であり上司の名前が記入されていたので、しぶしぶ取ることにした。

「もしもし…」

「あっ!!やっと出たぁ!!!」

相手は怒っているのだろうが、そうは思えない。

「何…」

「嬉しいお知らせだってのにぃ…!教えないよ!!?」

「あっそう…」

興味がないので切ろうとすれば、男にしては少し可愛らしい声で慌てた。

「出世出世!!大出世!!だよ!!」

「……は?」






俺はこの出世が、あんなことに繋がるなんて、俺“達”は思ってなかった。

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