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火の玉


「てか、見た事あるぞ。あきなも、はるかも」川上

「えっ?いつ?」はるか

「あっ・・もしかして・・」あきな


そう、東京の女帝田代の葬式。


「そう。みんな、現れた時、心臓飛び出るかと思ったよ・・」川上


回想~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

去年の田代の葬式



さすが東京の女帝。途切れることのない弔問客


(えっ!・・・・・・・・)

(うおっ!・・・・・・・)

(もしかして!?・・・・)


「なんだ?大物が、また来たな」あきな

「うん・・みんな頭下げてる・・てか、下げっぱなし・・」はるか



「この度は・・」

「はいっ・・顔も見てあげてください」喪主の涼太


「・・・・・・・・・・」


(大物だ・・絶対・・)涼太


ただ、ずっと田代の顔を見る男。


「なんだ?まだ、頭下げてるぞ・・あいつら・・」あきな


東京のそれなりの年代のアウトローが動けない・・

下げた頭のままずっと、川上達も・・


(合わせる顔がねえ・・)

(間違いない・・20年・・20年経ってる)

(すみません・・くだらない20年にしちまった・・)

(みんな守れなかった・・・ゴスロリ、佐藤、田代さん・・)


「・・ごめんなさい・・・悪党で・・」


「えっ・・・」涼太(ああ・・お母さん(田代)に言ったのか・・)


帰り出す男、頭を下げた者達は、まだ頭を下げたまま


「何者だ?」あきな

「帳簿では、大花組の組長代理です・・」


「日本最大の暴力団か・・丁寧に対応しとけよ。もう帰るみたいだけど」あきな


(みんな死んだ・・期待の若手・・・)

(・・田辺、小島、田村、黒川・・やっと帰ってきたぞ)

(東京のダイヤモンド・・ヤクケンさんっ)


だが、誰も声に出せない・・20年閉ざした口は、なかなか開けれない

誰かが、一言でも、お帰りなさいと言えば、大きな渦になりそう・・

だが、不甲斐無い・・多くの人間が死んで行った・・・

何より、ヤクケンが愛した人達・・

葬式にも出れなかった・・ゴスロリ、佐藤。


(うおおおおおおおお荒尾君まで!)

(クッ・・荒尾君・・荒尾君・・・)

(悪党のカリスマ・・荒尾君・・)

(そうだ・・面影ある。西田も居る・・)


共に20年関東所払いに、なった二人も。



「居ねえな・・プチヤクケン」荒尾

「・・泣きすぎと、ショックで痙攣起こして倒れたってよ・・」ヤクケン

「未だに、田代さんのあの光景が鮮明に記憶に残ってるよ・・」西田


護衛と共に去って行く三人。


「本当、大事な弔問客なのに、ウチの大将は・・」あきな

「後から、どんどん、辛くなってるみたい・・」はるか

「糸が切れたんだろ・・・一度思い出したら、

 色んな、良かった思い出が、蘇るから・・」あきな


回想終了~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



「居たっ・・・大物だって、話してたや・・」はるか

「だね。よく顔は覚えてないけど。」あきな


「あの・・聞いていいのかな?」はるか

「・・どうぞ」川上


「もし、抗争になった時・・・」はるか

「なるほどね・・いいよ正直に」あきな


「・・・どちらにも付かない・・いや・・付けない・・

 申し訳ない・・食わせてもらってるのに・・・

 すみません。石川さん。中野さん。」川上


「俺も、すみません。情報などは、集めますが、

 直接、殴り合ったり、殺し合ったりは、さすがに・・」下谷


「いやっ・・それが、当然。」石川

「ああ・・仁義だ。それがな・・」中野


「・・・何人くらい居るの?いわゆる残党・・」あきな


「・・田代さんが、使ってた兵隊も、ヤクケンさんが、

 田代さんにプレゼントしたもの・・まあ、これ入れないでも、

 当時の直系の兵隊が60人・・・

 その60人は今、ほとんど、この東京のアウトロー社会で、上の方・・」川上


「じゃあ、その人達の兵隊も入れれば、とんでもない数・・」はるか

「もう・・負けてるの?現れた時点で?」あきな


「だから、勝てやしない・・・もう、当時で答えは出たから・・

 あれが、アウトロー史上最高傑作だから。」川上


「・・・でも・・・問題が・・ウチの旦那の導火線・・」あきな

「あっ!・・ゴスロリさんの元彼だ・・」はるか


(・・ふっ・・・)石川 死んだ妹がゴスロリ


岩永がとくに、機嫌の悪くなる、ゴスロリの事に関しては・・


「・・佐藤姐さんも、田代さんも・・・確かに丸かぶり・・」川上


「ねえ、順番は?付き合ってた」あきな

「博多時代の佐藤、16の時のゴスロリ。田代さん・・かな。」川上

「いやっ、佐藤、ゴスロリ。田代さんは、彼女じゃなくバックで、浮気」下谷

「正解。まあ・・ほぼ付き合ってたけどな田代とも。」石川


「えっ?佐藤さんって、博多に居たの?」はるか

「ヤクケンさんが博多で知り合って、東京に引きずり出したの」川上

「引きずり出した?」あきな

「なんて言うか・・ダイヤモンドの原石を見つけ磨いた・・

 いやっ違うな・・簡単に結果で言えば、

 六本木の女帝にする為に別れて奮起させた?・・か。」川上


「佐藤さん、田代さん、両方の女帝を作った?」はるか

「すっげー裏話は、ヤクケンさんが、田代さんを六本木から出した

 東京の女帝にする為、そして佐藤姐さんを六本木の女帝にするため」川上


「ややこしいけど、結局、両方ヤクケンのおかげ?」あきな

「勿論、ヤクケンなくして、佐藤は在らず。

    ヤクケンなくして、田代は在らず。」川上


そして、こちらは、

佐藤なくして、岩永は在らず

田代なくして、岩永は在らず。


佐藤が磨いて、田代が東京一に押し上げた。



「これ、ウチの旦那聞いたら、どうなるんだ・・」あきな

「嫉妬の神様君臨だな・・・」はるか

「抗争か・・結局?」あきな


「だから、引退した俺達が、わざわざ東京に戻って来た・・」石川



静まりかえった事務所に電話。

対応した若手から、あきなに変わる


「もう、出れるから、あきな迎えに来て~」電話の岩永

「うん。分かった。石川さん中野さん来てるよ」あきな

「ああ、もう、会ったよ。ヤクケンの事だろ?」岩永


すでに、留置所(高級ホテル)で、少し話し合った三人。


知らないかと、思いきや、さすがに愚連隊のボス、

消え去られた歴史の説明は受けている。


「ウォン・・」バイクで迎えに行くあきな


「相変わらずだな・・・・うるせえな」中野

「ふふ・・・」石川


「あの旧車かっこいいですよね。憧れっす」涼太

「何か、スレでは、あれ、伝説の単車だとか・・」はるか


あきなが、昔から乗るこれが・・・東京アウトロー達の伝説の単車・・・・・


KAWASAKI Z-Ⅱ  火の玉


火の玉ゼッツー

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