仮面館
「ふー、やっと着いたぜ」
カルピスの原液を片手に直木が言った
「あの丘の上にあるのが俺らの泊まる館だ、着いて来い」
下岡が顔を拭きながら歩き出した
ここから見る限りではなかなか大きくて立派な館だ
1人1部屋というのもうなずける
キャンプ場がダメだったのによくここに泊まる資金があったな
などと考えているとあっという間に館についた
「おかしいな、執事が出迎えてくれる手筈なんだが」
下岡が困惑していると西村が叫んだ
「たのもーう!誰かいませんかー!」
しかし返事はない
僕は巨大な扉を押したり引いたりしたがびくともしなかった
「困ったな・・・」
僕が再び扉に手をかざそうとした時大きな扉が音を立ててわずかに開いた
そこには顔を半分だけ覗かしている気味の悪い男の姿があった
「どなたですかな?」
「あっ、あのその・・・」
下岡は男の気味の悪い身なりに怯んだのかオドオドしている
「修学旅行で来たアル!」
下岡の代わりにカンが答えた
すると男はさっきまでの警戒心を嘘のように取り払うと扉を開けた
「仮面館へようこそいらっしゃいました、私は執事の鈴木M勇介と申します」
「M?」
直木がもっともな疑問を投げかけると彼は答えた
「私はハーフなのでミドルネームですよ、どうぞマルコスと呼んでください」
僕たちはマルコスへ案内され館の中へ入って行った
時刻は正午を回っていた
「それにしてもデカイ屋敷だな」
希が僕に関心したように言った
「そうだね、なんでも昔は劇場だったらしくてそれが潰れた後マルコスの親戚が買い取ったらしいんだ」
「へえ、お前詳しいな」
「さっきリビングで下岡が知識を自慢してたろ、まったく希は寝てるんだから」
「ふん、俺は旅行が楽しめればそんなことはどうでもいいのさ」
ごもっとも
「さて、ここが僕の部屋か」
僕がドアを開けるとそこには海パンとゴーグルを装着したボディビルダーがいた
!?!?
僕が茫然としていると後ろから希が言った
「名札をよく見ろ、ここは森間の部屋だ」
「え?あっ」
ドアを見るとそこには森間和也様と書かれた名札がかかっていた
なんだびっくりした、ゴーグルしてるからわからなかったじゃないか
「それに俺らの部屋は2階だ」
僕は希についていくと今度こそ部屋にたどり着いた
夕食までは自由時間だ
僕はとりあえず皆が集まっているだろうロビーへ向かった




