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ベアー・イズ・バック

物語はついに終幕へ

目の前には死んだと思っていた親友の田熊

俺は何が起こったのかすぐには理解できなかった

それはマルコスや西村も同じようだった

しかしそれは恐らく一瞬だっただろう

「キエーッ!」

すぐにマルコスが田熊に向かって飛びかかる

「田熊後ろ!」

俺の叫びを聞いた田熊はマルコスが振り下ろすナイフを直前でかわして転がった

「田熊!火!火!」

隣で西村が騒ぐ

そういや足元が何だか凄く熱い

「おう」

田熊はそう言うと腰にさしていたペットボトルのふたを開け水を飲んだ

「ふう」

「違うだろ!うあっつ」

「冗談冗談」

田熊はそう言うと火に水を注ぎ消火した

こいつしばらく見ない間に冗談が言えるまでになってやがる

「さて、もういいでしょうか?」

マルコスはそう言うとこちらを睨んだ

「まったく次から次へと邪魔ばかりしてくれますね」

マルコスはそう言うと両手にナイフを掲げこちらへ走ってきた

「たっ田熊!」

俺は思わず叫んだ

田熊はポケットに手を突っ込んでいた

やられた・・・

俺がそう思ったのもつかの間

田熊はポケットから手を抜くとマルコスの顔面に思いっきり砂をぶっかけた!

「ふおっ」

何というダーティープレイ!

突然の奇襲に怯んだマルコスの隙を田熊は見逃さなかった!

これまた腰にさしていた折り畳みナイフでマルコスの脇腹を一突き!

そして崩れ落ちるマルコス

完成を上げる俺と西村


決まったぜ・・・

ボート乗り場で背後から何者かに殴られた僕は今倉庫にいる

あの後海に投げ出された僕は奇跡的にも館からそう遠くない岩場に流れ着いた

それから僕は犯人の裏をかくために独自に調査をしていたわけだ

珍しく倉庫に人が出入りしているから気になって見にきたらこのザマさ

まったく、世話を焼かせるやつらだぜ

「田熊後ろ!」

ん?

希の叫びを聞いて振り返った僕が見たものはナイフを振りかざしたマルコスだった

ちょっと待って高いとこから飛び降りたから足が痺れて、

あっ危なっ

僕は転がるようにしてマルコスのナイフを避けた

危うくくし刺しにされる所だったな・・・

「田熊!火!火!」

えっ?

焦げくさいと思ったら西村と希が火あぶりにされてるじゃないか!

なっ何とかしないと!

どっどうすればいいんだ・・・

待て待て、落ち着くんだ僕、落ち着け

とりあえず水を飲んで落ち着くんだ

僕は震える手で腰にさしていたペットボトルを取り出し水を飲んだ

「ふう」

少しは落ち着いたかな

「違うだろ!ああっつ!」

西村が叫ぶ

ああ、そうか水があったんだ

「冗談冗談」

僕はそう言うと火を消した

そういえばポケットにナイフがあったっけな

早く二人を開放しないと

えーっとあれ、ゴミと砂ばっかりで・・・

「たっ田熊!」

希が再び叫んだ

両手にナイフを持ったマルコスを見た僕は完全に怯んでいた

うっうわわっ!!

とっさにポケットから手を出すと砂がマルコスにぶっかかった

「ふおっ」

マルコスがよろける

水を飲んで落ち着こうと腰からペットボトルを取ろうとした僕がさわった物はもっと固いものだった

ナイフだ!

これで!

「はああ!!!」

目をつぶって突き出したナイフだったが命中したかどうかは目を開けなくても明らかだった

なぜなら僕の手には嫌な感触が直に伝わってきていたからだ

「「やっやった!!」」

希と西村が歓声を上げる


その後僕は希と西村を開放し気絶したマルコスを今度は逃がさないようにしっかりと縛り館へと帰還した

僕はみんなの驚きの反応がどんなものか楽しみだったけどその期待は見事に裏切られてしまった

館の扉を開けてまっさきに飛び込んできたのはみんなが下岡を一喝する罵声だった

それと悪臭

全身に包帯を巻いたミイラのようになった下岡がションベンを漏らしていたのだ

お叱りの内容は傷が痛んで歩けないとは言えションベンを漏らすのはどうたらこうたら

「たっ田熊!おまっ生きて!た!の!」

薄井が何とも言えない反応をしてくれたが僕はそれをシカトするとみんなにボートの存在を教えた

ボートは所々壊れていたのですぐには使えなかったが、それは簡単な修理で何とかなった

そして僕らは島を脱出した

僕が言うのもなんだけどなんだかあっけないラストだったな

そして今思えば長いようで短い修学旅行だった

僕はそんなことを思いながらふと海を眺めた

美しい

もうこの海には海パン一枚の筋肉坊主はいない

飛び跳ねるトビウオを見てはしゃぐ中国人もいない

「ゥボロロロロロロロロロロ」

いるのは船に酔ってゲロを吐くミイラ男だ

まったく・・・

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