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桜颪の中へ  作者: 小藍
6/9

展葉1

ひりひりと凍てつくような空気が肌に染み渡る。相談部屋に集められたのは、担任、学年主任、教頭、アヤ、その両親、ミナと父親、そしてタクトとリュウキ。重い空気が張り詰める中、話し合いが始まった。

「まず、こちらの動画をご覧ください。五十嵐君、頼むよ。」

そう学年主任が言うとタクトは頷き、先ほどの言い合いの動画を流した。

その動画を見たアヤのご両親は怒りを露わにし、アヤの頭を鷲掴みにし頭を下げさせた。

「この度は誠に申し訳ございませんでした!!!!うちのバカ娘にはきちんと言い聞かせますので!アヤも謝りなさい。」

アヤは半泣きになりながら小さな声で「すみませんでしたぁ」と反省の色ゼロの謝罪を述べたがご両親は許さず、きちんと謝れ!と怒鳴りつけた。だが、アヤは手を振り払い教室を飛び出していった。

両親もすみません。後日改めて謝罪に伺いますのでと言い残してアヤを追いかけようとしたら、ミナの父親が一言。

「大丈夫ですから、お嬢様と向き合ってあげてください。」

そういった父親は微笑んだ。父親を見てミナはどこか違和感を感じた。

残された教師たちに一言リュウキは問いただした。

「先生。先生は気づかなかったのですか?今回の件も、前回のあの子の件も。」

そういうと担任は目をそらし、気づかなかった。と小さくつぶやいた。タクトはその様子に腹が立って仕方なかったがタクトが怒る前に学年主任が動いた。

「橘君、この件は私に任せてほしい。もうこのようなことは起こさせない。そうだろう、結城先生。」

そういわれた結城は頷きやる気のない消えそうな声でミナに謝罪をした。ミナはどうでもいい。勝手にしてください。そう冷たく突き放し父親とともに去っていった。タクトとリュウキもその後をついて行った。


教室に戻り帰る準備をしていると、ミナが小さく「助かった。ありがとう。」と囁いた。それを聞いた二人は顔を合わせ笑った。

「何言ってんだよ。俺らとミナの仲じゃないか。」

タクトは照れながらそう答えた。するとミナが聞いてもいい?とタクトの方を向いた。

「前の子…どうして別れたの?」

「あぁ…俺を見ると思い出して苦しくなるから顔を見たくないみたい。新天地で新しい人生を生きたいんだってさ。まぁそりゃそうだよな。俺…何もできなかったし、知らなかった。ミナが助けるまで。だから、ありがとう。ミナ。」

ミナはどこか照れ臭そうに、別にうざかっただけ。そう言い残し教室を出て帰ってしまった。そんな姿を見たリュウキはタクトを恨めしく心の中で思った。そして去り際のミナの瞳を思い出した。先ほどのような夜の闇に一本の桜が散っているような瞳から、暖かい日差しが桜を暖めるような優しい瞳になっていた。その瞳を映し出すのはタクトではなく僕であってほしい。やっぱりタクトは邪魔だ。リュウキの頭はタクトをどう排除するか、それしか考えていなかった。


家に着いたミナが自室で着替えているといつもなら父親が母と間違えて部屋の戸を叩き始めるが今日は静かだったことに違和感を覚えたが、正常に戻ったのかと安心して晩御飯を食べに下に降りた。晩御飯もいつも通りの様子で安心したミナは明日に備えそのまま休むことにした。部屋に行く直前に父親におやすみなさい。と告げると、父親は何か言いかけたがおやすみ、ミナ。と返事をしミナは自室へ戻りそのまま休んだ。だが、彼女が父親と言葉を交わしたのはそれが最期だった。


次の日彼女が目を覚まし、両親の部屋を開けたとき目に映ったのは天井からぶら下がった父親と一枚の手紙だった。

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