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16.ひらかれた過去
ギィ、と軋む扉を引くと恐らく事故の日のままであろう、大量に積まれた書類が雪崩を起こしていた。
元々王家が避暑地として使用していた屋敷に
こういった隠し扉は大抵最後に押すものだけれど、この屋敷の隠し扉は引く仕様になっていた。聞けば何度も空き巣に入られていたが結局何も盗まれておらず、領主が不思議がっていたとの事。恐らく解錠できずに帰っていたのだろう。
後ろから中を覗き込んだクーパー侯爵が
「…やっと見つけた」
と呟いた。
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クーパー侯爵が言うには、ダグラス伯爵はトゥンバーン地方の財務大臣を勤めているがお父様が存命の頃はまだカヤの財務担当でその時から不審な金の流れがあったとの事だった。
お父様が「カヤには助けられたから」と張り切って厄介事も引き受けている内に、ダグラス伯爵の横領に気付き独自で調査をしていたようだった。恐らくそれに勘づかれて事故に見せかけて殺されたのでないかと。




