16/17
15.のこされた言葉
どうやらダグラス伯爵は、私のネックレスが目的だったらしい。
ベルポホンは金細工が有名で、出来が良ければ良いほど細工の境目がわからなくなる。
王族仕様だろうか私の物は特に精巧に作られていて、金属の境目が分からないようになっていたようだった。
手に入れたものの開けることができず街中の利き腕を屋敷に呼び寄せていた所、この街に嫁いだフィリップの姉エレノア様の主人であるクーパー侯爵の耳に入ったとのことだった。
手渡されて細工を引き抜く。
「愛しているよ。何かあったら本棚の裏へ」
念の為だろう。そこにはラウトの古い言葉で記載されていた。
思わず涙が溢れる。
本棚の裏はお父様と二人だけの秘密の場所だった。




