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13.君がいないなら(フィリップ目線)
息が、止まるかと思った。
『リリアナがいなくなった』念の為こっそり付けていた護衛から連絡があったのは、リリアナが出掛けてから一刻を過ぎた頃だった。
犯人の大体の目星は付いていた。
ーーまだ証拠が不十分なのに。
奴らが必要なものを手に入れてしまったら、リリアナの命も危ういだろう。
「くそっ」
苛立ちが募る。
鞄にいつかのために集めていた書類を詰め込んでいく。
ーー無事に会えたら、話さなくては。
王家が彼女を影武者としていた理由も。
振り返って従者に告げた。
「ベルポホンへ向かうぞ」




