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11.絶望とひとすじ
ーー剣を持ってたらなあ
幾ら毎日鍛えてるとは言え、大男三人には敵わない。
攫われてから二晩経って、どうやらどこかの地下にいることは分かった。
決まった時間に食事を運んでくる少年の訛りから西の方だと予想していた。
人目を盗んで出られないかとあれこれ画策して、すっかり汚れてしまったスカートに目を遣る。
もう世間は春とは言え夜はまだ冷え込む季節だ。
石造の壁が体温を奪う。
ーー何の目的かは分からないけれど、早く抜け出さなくちゃ
急にドアが引かれて目に入るランタンが眩しくて目を細めた。
小柄で撫で肩の紳士は口にした。
「お久しぶりですね、リリアナ様」
「……ピーター?」
父の昔の側近だった。




