scene7 玉ちゃんと天ちゃん
scene7 玉ちゃんと天ちゃん
モクモクモクモク〜ど〜ん!
神棚の陶器のお狐さまが、一瞬で本物のきつねに化けて出ました。
しかもまるで白ねこのような、もふもふのお狐さま。
「えっ!?え〜!!」
「こっちのアホっぽい子が玉藻、玉ちゃん」
「で、賢そうなこっちの子が天狐、天ちゃんよ」
ナナさんが言います。
「もちろんふたりとも見えるよね?
」
陶器から化けて出たお狐さまが2匹です。
白くてちんまりとモフモフしたかわいいのが2匹。
びっくりするよりも、抱きしめたくなる可愛さです
「えーー!見えるも何も、もふもふが2匹じゃないですか!めちゃくちゃかわいいんですけど!」
なぜか怖くもなかったんです。
「おまえーやっぱりアホに見えるんだな」
ちょっぴり賢そうに見えるのは天ちゃん。
ふっと笑いながら言いました。
東京弁?
なんだか話し方もクールです。
「あほー!あほにあほっちゅーたらあかんねんでー」
口にチーズ屑をつけて、そんなふうにいう子は、玉ちゃん。なぜか関西弁です。
「ほら、ふたりとも瑠璃ちゃんにご挨拶は?」
「瑠璃ちゃん、はじめまして。
ぼくは天狐。天ちゃんって呼んでいいよ。
八雲先生に仕える眷属さ」
「あ〜また先こされたわー。
瑠璃ちゃん、こんにちは。わし、玉藻っちゅーねん。
玉ちゃんって呼んだってー。
暇してて天ちゃんところに遊びにきたん。そしたらナナはんがチーズを食べさしてくれはったから、そのままここに住んでんの」
「ふたりともはじめまして!」
話し方にはギャップがあるものの、やっぱり可愛い!
あらためて見ても、ちんまり、ふわふわのもふもふの小狐が2匹!
かわいいとしか言葉が出ません。思わず抱きしめて、もふもふしていた私です。