表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/169

19

ヴァルド砦の見習い兵士は午前中に基礎訓練を行い、昼食後に学習時間を設け、その後に鍛錬の時間を設けている。学習時間と言っても講義形式の授業があるわけではない。どちらかと言うと自由時間の色合いが濃く、学習時間ではなく昼寝の時間だと認識している者もいるくらいだ。

しかし、騎士を目指す者は王立学園を目指すわけで、そのための学習には必須の時間である。砦で働くためだけであれば不要な知識を学ばせてもらえるのである。時間いっぱい学ぼうと努力する者の方が多かった。特に爵位の低い貴族家の次男以降は、真剣に学んでいた。高位貴族であれば、家庭教師を雇って学園を目指すことができるが、彼らはそういうわけにはいかない。騎士爵を目指して自力でつかんだ伝手である。真剣に取り組むのは当然だ。

どちらかと言うと平民出身の者の方がのんびりとしている。彼らにとっては砦に来られただけで大出世だ。平民は初めの奉公先でまじめに働き、それなりの教養を身につけないと砦には来られない。それに対して貴族階級出身であればそれなりの口利きさえあれば砦に見習いとして入ることは容易い。もっとも簡単に入れるがゆえに兵士としての質で言えば平民出身者の方がいい面もある。何しろ貴族出身の中には、砦を学園に行くための私塾程度にしか認識していない者もいる。もっともそういう者ほど砦での鍛錬についていけず、学習時間が昼寝の時間と化してしまうという面もある。


そんな見習い兵士たちの学習時間にターニャも共に学習させてもらえることとなった。といっても、学習時間とは、ほぼ自習時間である。各自が自分に足りないものを考え、必要なことを自分で学ぶ。自分でわからない時に助言してもらうためにいるのが教師である。それが砦での「学習」だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ