3分間ショッキング
会社が爆発したので、平日だというのに私は家でゴロゴロとしていた。
特にやることも無く、ただ虚しい時間だけが流れてゆく。
テレビをつけてはいるが、何処もアザラシが川に流れてきたニュースばかりでつまらない。
──3分間ショッキング。
ニュースが終わり、次のニュース番組までのつなぎ番組が始まった。
「みなさん、こんにちは。日本料理研究家の山崎川子です」
如何にも大和撫子な女性が、ショッキングピンクなエプロンをかけて深くお辞儀。
釣られて私も軽くお辞儀。
「本日はスペシャルアシスタントとして、俳優の羅生門義男さんにお越し頂いております。羅生門義男さん、宜しく御願い致します」
偶然にも、私の大好きなイケメン俳優がテレビに出て来た。エプロン姿がとても絵になっている。
「早速ですが、今日はハンバーガーを作りたいと思います」
「ハンバーガーですか?」
日本料理研究家なのにハンバーガーかい、と一瞬ツッコミかけたが、毎日和食ばかりじゃ飽きるだろうし、たまには洋食の日もあるよね。そう自分で納得する。
「はい、それでは材料ですが、先程買ってきたモ〇バーガー。以上です」
「うん、美味しい!」
テーブルの下から出て来た、とても見覚えのあるハンバーガーを皿の上に置いた先生は、それを義男に差し出した。
義男はすぐさま包みを開けて食べ始めた。
なんだろう、これ。
ショッキングというか、残念というか……。
「材料のおさらいになります」
「メモの御用意を」
メモいらなくね?
おさらいもいらなくね?
「最後に羅生門義男さんから、お知らせになります」
あー、はいはい。番宣ね。
今度の主演映画も観に行くからね。義男ラブですよ……ラ、ヴ!
「えー、私事になりますが。この度、一般女性と結婚することになりました」
……え?
「まあ! おめでとう御座います!」
「ありがとうございます。幸せな家庭を築きたいと思いますので、これからも応援御願い致します」
……は?
「今日のショッキングは九月号のテキスト88Pに載っております。書店に無い場合は諦めて下さい」
羅生門義男の新作映画が大コケしますように。
私は強く願うことにした。




