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第5話 実力行使ですか?!?!


「では、私と踊っていただけるということで良いのですね?」


「えぇ…」


 足は痛いけど一回ならやれないこともないかも知れないようなそうでもないような…うん、やるしかない。


「怪我をしている。踊らなくていい。」


「え…」


 それも魔王パワーなのだろうか。すげえな。オイ、


「無理すると死ぬぞ。」


「死っ?!」


 驚く私に声をあげて笑った魔王様は私の耳元に顔を近づけてそっと言葉を放った。


「君にまた会えたことが嬉しくてならない。このままさらってしまおうか?」


「…キザ。」


「フッ図太いな、その神経ならちょっとやそっとで動揺するなよ?」


 嫌な予感がした。その笑顔は魔王と呼ぶのにピッタリだったからだ。


 ふわっと足元が軽くなり、私は横抱きにされていた。魔王様の周りから風が起こる。ど、どうしよう!

 その風で魔王様の頭の上のカツラが落ちそうになる。私は慌てて彼の頭を両手で押さえつけた。ふっと鼻で笑う声が聞こえると次の瞬間、私たちは夜空にいた。


「っわあああああ!!すごい!魔王様!おおおおお!!すごい!」


 空を飛んでいる。星空だ。星はキレイだし、上から見る街の明かりもキレイだ。感動した。

 ふと魔王様を見るとカツラも取れて目の色も戻っていた。そのキレイな目を細めて私を見ていた。


「あ…えっと、何か…?も、もしかしてうるさかったとか?でも落とさないでくださいね!?!?!!??」


「ははっ、可愛いからつい…。それと僕のことはカレンと呼んでくれ。」


 何を言ってんだこの王様は。


「…はい?」


「嫌か?」


 魔王様が捨てられた子犬みたいな顔をしている。だめ!その顔は!!


「あの…これじゃ恋人みたいですよ?やめときましょ?」


 私はついつい目を逸らして言った。何で赤くなる!私の顔!やめてくれ!

 あああああ!!これならもっと手練れみたいに殿方を遊んではポイし、遊んではポイしの生活をして異性に慣れておくべきだった!!


「僕はそうなりたい。君は僕が嫌いか?魔王である僕が怖いか?」


 私は抱っこされたまま何もできない。そんなところに彼は顔を近づけ、私のおでこに頬を摺り寄せた。


 うそでしょ?!やめて!可愛すぎて流されそう!

 ていうか何でそんな急に!わかんない!


「怖くはないんですけど…その…」


 口ごもる私は彼とうっかり目を合わせてしまった。

 ああああ!だめだ!


「ま、まずはお友達から…」


「友達…そうか。では、素晴らしい友好関係を築こう。そしていつか結婚しよう!」


「どんだけ大胆なんですか!」


 月夜にリオノーラの突っ込みが木霊した。

 カレンはまた愛おしいと彼女を見て笑ったのだった。


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