第6話 闇の精霊王と最弱
クリフとミィは作戦会議を終えると、ゴブリンキングの出現している森へと向かう。
キングの使用する強化魔法は群れ全体を支配し強化を施す厄介なものである。
それをさらにゴブリンシャーマンにより強化される。そのうえキングは変異種と来たものだ。
「変異種は何を隠し持ってるか分からない…んですよね?」
クリフの質問に頷き答えるミィ。
「全く持ってその通り。ただのゴブリンキングじゃ無い訳だから警戒はしなければならないな。」
ミィは真剣な顔で答えた。
「まあそれでも私がゴブリンキングを抑え、君がゴブリンを処理すると言うのかなり不安だな…」
ミィはそう言って俯く。
「私は近接戦は苦手だからな…多少ナイフは使えるがたかが知れてるものだ…。」
ミィは深いため息をこぼす。
「なら、僕がキングを引き受けましょうか?見ての通り僕は短剣使いなので」
クリフがそう答えるとミィはありがとうと言って微笑んだ。
「でも、私の魔法は高火力且つ魔力消費量が凄まじいんだ…雑魚の殲滅戦に置いてコレは弱点なのさ…」
その答えを聞き納得ししたと同時に自分がゴブリンを素早く処理し、ミィの加勢に行かねばならない事も分かってしまった。
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その後ミィとクリフはゴブリンたちの居るへ森へと辿り着いていた。
「この森か…嫌な気配がするな…生態系も何も無さそうだな」
ミィの言う通り、動物はおろか魔物の気配すら感じ取れない。
「相当やばいかもしれないな…気を引き締めるとしよう。」
頷くクリフだったが、この後自分たちがピンチに陥るなど想像していなかった。
(どうしてだ?どうしてこうなった…)
あの後無事にゴブリンの群れを発見し殲滅戦を開始した。
しかし現在クリフ達は劣勢になっていた。
戦闘開始直後に撃った楔は間違いなくゴブリンに作用している。
だがクリフ達は劣勢だった。
余りの物量から作戦を変更し急遽クリフが前に立って殲滅をする事となった。
結果としてミィの身を守る事が難しくなっていた。その隙を突かれ突如として劣勢に陥った。
ゴブリンキングはミィを最優先に処理の対象と見なし、ミィが襲われた。
辛うじて防御姿勢を取って受けたようだが、ミィは蹲って動けなくなっていた。
クリフもゴブリンの群れに邪魔をされて、助けに行くことが出来ない。
楔が外れれば蹂躙されるだけ…
その思考に行き着き動きが鈍くなるクリフをゴブリンの鉈が切り裂く。
負けを悟り意識を手放しかけたクリフにとどめを刺そうとしていたゴブリンが突如絶命し、平服したくなる気配と共に少女が目の前に現れた。
「我がマスターに仇なす醜い餓鬼共よ、私直々に葬ってやる。感謝せよ」
そこからは一方的な蹂躙の幕開けだった。
キャラ紹介
【闇の精霊王】シェイド
{職業}精霊王
{年齢}不明
{種族}精霊
説明
この世に存在する、魔法の元素となる者。
火、水、風、土、光、闇、雷、氷の8つに区分けされた精霊の中の闇の精霊。
精霊の中でも力が強く、低級精霊は逆らう事が出来ない。
クリフと契約し、クリフを精霊術士にする。
クリフが闇魔法しか使えない原因は彼女にある。