第5話 太陽の麗姫と最弱の作戦会議
「す、すみません…」
クリフが少女に発した一言はそれだった。
数分程度だが、クリフは思考が停止し固まっていた。
「いや別に問題は無いさ。私の方こそすまなかった。唐突にゴブリンキングの討伐を手伝えはキツかったと思うよ…」
クリフは首を傾げ、一言
「いや、貴女Sランク冒険者なんですか!?って事ですよ!」
少女はキョトンとした顔をした後になるほどと納得する。
「そうだよ、私はSランク冒険者だよ。」
少女はハッとした顔をして、バツが悪そうな表情を作る。
「そう言えば私はまだ名乗っても居なかったな…私の名はミィ・ラグリート。【太陽の麗姫】とも呼ばれている。」
クリフにとってその名はインパクトは強かった。
「なっ!」
ミィはSランク冒険者の中でもトップ層の実力者であり、現在は【聖剣】についでランキング2位である。
その名を聞けば誰でも同じ反応はするだろう。
「まあ君からは唯ならぬ気配を感じたのは事実だよ」
そう言って笑みを浮かべる。
美少女の笑みとはやはり破壊力は凄まじい。
「はぁ分かりました。お手伝いさせて頂きます。俺はクリフ。クリフ・リベスターです。」
そう言ってクリフはミィと握手を交わす。
「それで、キングにが居るなら群れですよね?どの程度の群れなのか知りたいのですが…」
クリフの問いにミィが答える。
「まぁ、大体2000程の大規模な群れだ…キングの方は変異種との事だ。」
クリフは大きなため息を吐くと、こめかみを押さえる。
変異種となるとワンランク跳ね上がる…詰まりA以上からSになるのだからクリフの反応は至極当然であるのだ。
ミィも顔を顰めてい所から厄介に思っているのだろう。
「はぁ…仕方あるまい。2人で超火力の魔法ぶっ放して群れごと滅ぼすか…。」
流石【狂戦士】も認める脳筋魔法使いである。
「君、今失礼な事を考えていただろう?全く…脳筋魔法使いでいけないか?」
ミィに考えを読まれて笑って誤魔化すクリフをため息混じりに見つめ、続けた。
「問題は群れの規模が大き過ぎてとてもでは無いが殲滅し切れないかもしれない」
その懸念があるからこそ、今クリフ達は作戦を練っていた。
「ですがゴブリンキングを倒さないとゴブリンに強化魔法が入ってしまう。」
クリフの言う通り、ゴブリンキングは同族のゴブリンを強化する固有の魔法を使用する。
「まぁそれで他に人を見つけようと思った末に君に行き着いたという事さ…闇の範囲攻撃でゴブリンの群れを殲滅して欲しい」
ミィの考えは群れをクリフの闇魔法で纏めて殲滅しミィがキング焼き払う。単純明快で理にかなった戦略である。
クリフもまた、納得し討伐へと臨むのだった。
今回はキャラ紹介では無く冒険者ギルドの制度です。
【冒険者ギルド】
説明
冒険者ギルドは王都に本山があり、各地に支部が点在している。
冒険者はEランク〜Sランクに分けられる。
一定の功績を残しギルド側が上げても良いと判断した場合にランクが上がる。
また各ランクで順位付けされており、順位に応じて報酬が上乗せされたりもする。
冒険者は魔力を持たない者はなる事が出来ない。
この世にいるSランク冒険者はミィを含め15人のみ。