第4話 太陽の麗姫と最弱の出会い
冒険者ギルドの1件でクリフはリサとの縁を切った。
『こんなのじゃリサさんの顔に泥を塗る事になる。』
そう言ってその後クリフは冒険者ギルドを後にした。
それ以降クリフは王都の東にある草原で野宿をしていた。
「流石に闇のみの適性は想定外だな…でも闇以外の適性はどうやっても出せないからなぁ」
そう言ってクリフは寝袋に入り、寝てしまうのだった。
翌朝。
クリフは身体にかかる重さで目を覚ました。
クリフは身体の上には何も置いていない。
動物でも乗っているのかと少し体を起こした。
そこには赤い髪が印象的な少女が寝ていた。
(何故?昨日寝る前は誰も居なかったはず…)
クリフの疑問は尤もだが、そんな事よりこの状況をどうにかしたかった。
アレコレ考えていると、クリフの身動ぎで起こしてしまったのか少女が目を覚ます。
「おや、私とした事が…寝てしまっていたのか…」
少女はコチラを見つめた後、おはよう。と声をかける。
「お、おはよう…」
クリフは戸惑いながら返事をする。
「君の戸惑いは尤もだよ。私はここで寝ている君を偶然見つけた。それで気になって見張りをしていたら眠っていたそれだけだよ。」
そう言って少女は堂々と胸を張る。
「まあでも、実際君に用があってと言うのもある。」
真面目な顔をして少女が続ける。
「この辺りにゴブリンの王、ゴブリンキングが出現しているらしい。」
クリフはゴブリンキングの討伐ランクはA以上だと聞いている。
つまりこの少女は冒険者の中でも上から数えた方が早い事になる。
「それで、ゴブリンキングが居るから草原での寝泊まりを辞めろって言いに来たって事か?」
クリフの問に少女は首を振る。
「そのゴブリンキングの討伐を手伝って欲しい。」
少女の思いがけない発言にクリフは呆けてしまう。
「君、私たちと同じ気配を感じるよ。」
少女はそう言ってクリフを見つめる。
「どう言う意味かな?俺は昨日冒険者になったばかりですよ?貴女は俺を殺す気ですか?」
クリフの問に少女は笑う。
「フフッそう来たか!全く君は面白い人だよ…君から感じる魔力や気配は私たちSランク冒険者と同じものだよ。」
少女はそう言ってクリフを見据え一言。
「私と、組まないか?最強の闇魔法使いさん。」
クリフは思考が停止していた。
「おーい?おーい!君〜?大丈夫か〜?」
少女の声だけが虚しく草原に響き渡るのだった。
キャラ紹介
[ヒロイン]ミィ・ラグリート
{職業}冒険者
{年齢}17歳
{種族}人間
説明
最年少でSランク冒険者に上り詰めた少女。
数年前にクリフと出会っており、命を救われている。
クリフが覚えていない事も分かっている。
現在は【太陽の麗姫】と呼ばれ、冒険者ギルドによる順位付けの上位にくい込む実力者。
一匹狼でこれまで誰ともパーティーを組んだことが無い。
クリフと再会し、過去を黙ってパーティを組む。
密かにクリフに好意を寄せている。