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Erster Akt: Hochgebirg von Licht und Finsternis -Licht-side-(第一幕:光と闇の高山-光の章-)

20XX/2/22 White Isle, Kobe City, Hyogo, Japan


キイツはユキと共に、もう一度アクアに会うためにホワイトアイル地下のスパコンLを訪ねていた。

しかし、アクアは実験の為外出中で夕方まで帰ってこないとの事だった。

仕方がないので、アクアが帰ってくるまで、ユキと共にアルカディを周って時間を潰す事にした。


ギリシャ神話のコーナーで詳しい説明をした後、アルキメデスのコーナーで二人は足を止めた。

「そういえば、アルキメデスの原理って知ってるか?」

自分が知っている事だけでなく、所々、アクアから又聞きした薀蓄を話した。

「キイツは物知りなんやな」

「い、いや実はこれはアクアの受け売りなんや」

「やっぱそうやな。何か言い方がアクアさんぽかった」

そして、真実の口のコーナーに差し掛かった。ユキは、口の中に手を入れるのを怖がったので、自分が手を入れた。

自分が取れない演技?(実際に取れなくなる仕様なのだが)をすると、ユキは本気で心配していた。自分は冷静だった。

自分は、既に手の内を知っていたので、高ランクのferrum cordium(鋼の心臓)やluscinia cordium (ナイチンゲールの心臓)を越えて、最高ランクのcor cordium (心の心)の称号を得た。

案外、アクアも例の変わった親友とでもこれをやっていたのかもしれない。


騙されたと分かってユキは不機嫌だったが、面白い展示の数々にすぐに機嫌を取り戻した。

そして最終フロアのキーツの展示に来た。

「ふーん。これがキイツと同じ名前の人か。やっぱり、カッコいいし、こっちが本物やな」

「そうかもしれへんな…」

その後、キイツはユキに説明をしながら、ついに墓碑銘まで来た。

その時、ユキはキイツの顔をまじまじと見て質問した。

「なんで、泣いてるん…」

言われて気づいた。説明している間に、いつの間にか涙がこぼれていた。

「ああ。ここで、アクアと喧嘩別れしたからかな…」

「ちゃんと謝って仲直りせんとな」

「せやな」

涙を拭いて笑顔を浮かべ、決意してクリスの事をユキに話そうとした。


その時、大地が揺れ、墓碑銘の載った地面が崩れ落ちた。自分はとっさにユキの手を握っていた。


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