表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/56

At the mere touch of cold philosophy? (冷たい科学が、ただ触れるだけで)

自分は、神戸で生まれ育った。ごく平凡な家庭の子供時代。

無邪気で、ありふれた日常が続いていた。

小学二年の冬休みのある日、自分は、机の上に置いた松ぼっくりを見つめていた。

実際に見た”自然”の絵を描くという図工の宿題だったが、いい題材が見つからず手つかずだった。


「キイツ、何してるん?」

そんな時、隣から声が聞こえた。近くに住んでいた幼馴染みの青葉栗須アオバ・クリスだった。二人で算数の宿題を終えた後、それぞれ残っていた宿題に取り掛かっていたのだった。

「クリスか。今、図工の宿題でいそがしいんや」

しかし、自分の握った色鉛筆は一向に動かない。

「なあ、さっきから何もかいてないやん」

「…うーん、良い絵が思いつかへんのや。クリスは何を書いたんや」

クリスが見せてくれた絵は、赤い丸い物体から緑の線が出ているものだった。

自分は首をかしげながらたずねた。

「…梅干しに芽が出たんか?」

「どう見たってバラやないか!」

クリスは怒りながら反論した。

「いやバラには見えへん。バラやとしても病気のバラや」

そういうと自分は、さらさらとバラの絵を描いた。葉を食べている虫も添えて。

「こんなキレイな絵をかけるのに、良い絵が思いつかへんなんてぜいたくやな…」

「せやけど、ほんまに思いつかへんのや」

「なら、海浜公園に行かへん」

クリスは窓の方を眺めた。冬の寒い空にあたたかな光が舞い込んでいた。



自分は、

・クリスについていくことにした。

・クリスについていかないことにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ