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SolutioⅢ:Amice Semimors et Semivivus(解Ⅲ:半死半生の友人)

目を閉じ、胸にナイフを突き刺すと、痛みを押さえて再び耳をふさいだ。光も音も観測できない。そして、鼓動もだんだん、小さくなり観測できなくなった。


もう、あなたの生死は永久に分らない。何も分からない。何もわかりたくない…

あなたは、かつて虹を背にして言いました。

「分からない事があってもいい」

あの時よりも、今はそれが深く理解できます。

生と死が混ざり合った虹を、プリズムで分解して、生死が理解できるよりも、生死が重ね合わさった虹をずっと見ていたい。



後日、海底に沈んだコルプスと、海上に浮かんだアクアの死体が発見された。

アクアの不可解な死は、当初、コルプスと争い、コルプスによってナイフを刺されたものだと考えられた。

密室に二人しかいない状況で、片方が刺されていたのならもう片方の仕業に違いないという論理的な推測だ。

しかし、調査が進むと、コルプスが刺したのではなく、アクアが自らの手で刺した事が明らかになった。

更に謎が深まり、事故や何者かによる陰謀という説まで生じた。

その中に、アクアはコルプスを思うあまり、自殺して共にありたいと願ったのではないか、という非常に感情的な説もあった。

だが、知人たちが、アクアの性格上、生存できるのに自殺する様な非理性的な事をするとは思えないと強く主張したため、この説は、ほとんど顧みられなくなった。

真相は海の底に沈んだまま、決定されることは決してなかった。



SolutioⅢ:Amice Semimors et Semivivus(解Ⅲ:半死半生の友人)


…違う。これは私が選ばなかった、ありえたかもしれない選択肢。もう一度異なる決断をしなくては…

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