黒龍の能力
部屋にテリーと二人で戻る。
黒龍姿のテリーと入ると少し狭い。
まぁ仕方ない、それより質問だ。
「テリーお前どうやって来たんだ?」
「グニャグニャをバーっと!」
「何でドラゴンなんだ?」
「ドラゴンかっこいい」
大体分かった。
テリーとは長い付き合いだから会話にならないのは
承知の上だが言いたい事は理解出来る。
俺と同じ様にあのグニャグニャとした地面を発見し
そこに俺の匂いを感じ此処に来た。
そして憧れていたドラゴンの姿を思い浮かべて
いるとこの姿で転移していた。
恐らくこんな感じだろう。
それからテリーを集中して観察しているとある
文字に気がついた。
ステータス共有 ON /OFF
取り敢えずONの方に意識を向けてみる。
するとまた文字が浮かび上がってきた。
俺の時と同じ様にテリーのステータスが見える。
種族 どのカテゴリーにも該当しません
(進化可能種)
進化条件 ワイバーン0/2 キングゴブリン0/1
こんな感じの物が俺の時と同様多数載っていた。
基本属性魔法
火✖️水✖️風◎土◎光△闇◎
特殊属性魔法
嵐◎毒◎
特殊能力
飛行 全属性耐性 ブレス
それを見終わると大体の使用方法や効果が
俺とテリーの頭に流れ込んできた。
テリーには無闇に能力を使用するのを禁止する。
しっかり見ておかないとこいつは危険だから。
渋々ながら頷いたテリー。
その時部屋をノックする音が聞こえた。
「ガラァ!」
「ひっ!し、失礼します、こ、これを」
どうぞって言ったんだけどな・・・
まぁ今はこんなドラゴンまで居るし仕方ないか。
そんな事を考えながら差し出された物を見る。
「モンスター百科事典」
テリーのせいでバタバタしていたが2日後までに
進化出来る様に進化に必要なモンスターを探しに
行くんだった。
俺はその本を受け取り2日で間に合う魔物の
生息地を考え自分のステータスの中で
一番人型に近づけそうな進化先を選ぶ。
現状ではこの3つか?
①進化条件 ハイゴブリン 10/10
②進化条件 オーガ 5/5
③進化条件 キングオーガ 1/1
ハイゴブリンの巣が少し離れた森にあるみたいだ。
オーガという鬼族モンスターが住まう谷も
同じ位の距離にあるみたいだった。
キングオーガはオーガの突然変異種で個体数が
少なく見つけるのは困難らしい。
よし決まり!!
ハイゴブリンの巣に向かう事にした。
オーガよりも弱いらしいしこれが無難だな。
そうと決まれば早く行こう!!
取り敢えずムーサ王に出発の意思を伝えに行く。
紙と墨を持ちテリーと一緒に王の部屋に向かった。
ドアをノックして返事を聞き中に入る。
「ひっ!ヒィィーー!!」
テリーも居るからか怯え方も倍だ。
慣れた手付きで紙に文字を書き
出発の意思を伝える
ムーサ王は理解してくれ案内人の
騎士を付けてくれた騎士の名前はカウネ。
カウネは緊張しながらも挨拶をしてくれた。
「こ、この度はよ、宜しくお願い致します」
「ガラァ!」
「ひっ!」
このやり取り飽きたよ・・・
まぁ何はともあれ出発する事になった。
人型になれれば良いけど・・・