2話目:リアルの世界のステータス
次に目が覚めた時には誰もいることはなかった。だが、時折水が流れる音が聞こえてくるので、家に居ることは分かる。
とりあえず、ステータスを見ることにした。
ルイ 0才 男 身分:奴隷
レベル:1(0/10)
体力 10(10/10)
魔法 11(10/11)
攻撃 1
防御 1
魔力 1
器用 1
早さ 1
スキル
鑑定(1)
称号
神の加護
記憶の加護
変化したことと言えば、前よりもMP量が1増えていたことくらいだ。だが、今1増えたということは大分大きいことではないだろうか。ステータスを覗く、又は他の魔法を使う時間を作れるという意味でも。10しか使える容量がない時に増えるのは大きいことである。
それから、鑑定スキルがあったことに今気付いた。ファンタジー小説の定番中の定番スキルである。ぶっちゃけ言えば、鑑定スキルがなければ何も始まらないと言えようか。
鑑定スキルの説明を見ようと念じると、何かが抜けるような感覚の後に説明が表情された。
鑑定スキル:一回につき、2つ魔法を使い知りたいことを知れる能力。但し、スキルのレベルが上がらないと知れないことがある。レベルアップにより知れることが増え、更に使う魔法の量が少なくなる。なお、レベルアップに上限はない。
今、鑑定の能力を知れたこともMP消費していたので、鑑定の能力を使ったことになるらしい。今だけでMPは2減っていた。
ついでだから他のスキルも見ようと思い、鑑定スキルを使う。一応、体力や魔法なども確認の為に見ておく。
神の加護:運が幾らか上がる。運自体は生まれてから一生変わらない。たまに神から御告げが来るので従おう。
記憶の加護:前世の記憶を引き継ぐもの。
体力:行動したりダメージを与えられると減る。0になると移動不能になり回復されなければ暫く経つと死んでしまう。回復されれば体力が少しだけ上がる。休んでいれば、体力は1時間に半分回復する。移動中の体力を減らすには鍛えることが必要。
魔法:臓器の一つである魔臓から分泌される気体。念じることで様々なことに使えるようになる。0になると魔法が回復するまで待たないといけなくなる。回復すると魔法の容量が少しだけ上がる。1時間に1/5回復する。
ここまでを調べた途端、前回のような音が聞こえ、ステータスを見ることが出来なくなった。
これまでから、今までのファンタジー小説と違うステータスの概念、ということが分かる。
ファンタジー小説とリアルでは全く違うことは分かっていたが、ここまで違う展開だと参考にするのは難しいだろう。俺に何かチート要素と言ったものがある訳でないから、そもそもが参考にならなそうだが。
さて、次に使えるようになるまで1時間掛かるが、何をしようか。
じたばたして体力がどのように変化するか確かめる?それだとステータスが見れないから0になっているか分からなくて危険だ。0になっている時丁度に両親が来てくれるとは限らない。流石に、転生してすぐに死亡なんて縁起ないことになりたくはない。
それだと、残る選択肢は一つ。寝る。
しかし、やろうと思ったことを出来るのが人生なハズがない。
寝ようと目を閉じた瞬間に、俺は大声で泣き出した。ミルクの時間らしい。
その後、精神年齢が高校生の俺にとっては、羞恥プレイ……ある種の拷問をされ、それから漸く寝れたのだった。
◆ ◇ ◆
目を覚まし、未だ覚醒しない脳で外を眺める。
空は茜に染まり、鴉が1日の終わりを告げるが如く鳴く。蝙蝠はいつもより早く活動し始めたらしく羽の音が聞こえた。
昼寝をし過ぎてしまったのか、上手く動かない体をなんとか起こそうとするが起きれない。
段々と不安になって、それから何故かお腹が空いてきた。
そして再び気付いた。今、俺が転生しているということを。
気付いた途端緊張が取れたからか、俺は泣き出した。ミルクの時間だ。すぐに母が来て、母乳を飲ませてくれる。
金色の腰まであるロングは1つ結びにしてあり、目は二重のたれ目で筋の通った鼻、小顔で可愛い系の美人だ。
普通ならこんな人が母親で羨ましいだろう。しかし、前世ではオタク共とアニメのキャラの話しで萌えていて、女子とは話しをしたことが一回もない俺には辛い。今話すとしたら、どもりまくる自信がある。
だから、母乳を飲んでいる間は、母の顔をなるべく見ずに飲むことに集中することにした。慣れるまでは仕方ない。
母が離れていくと、俺は早速ステータスを開く作業に移る。
ルイ 0才 男 身分:奴隷
レベル:1(0/10)
体力 10(10/10)
魔法 12(11/12)
攻撃 1
防御 1
魔力 1
器用 1
早さ 1
スキル
鑑定(1)
称号
神の加護
記憶の加護
使いきったお陰でMPをまた増やすことが出来た。段々と増えていくMPを見ると満足感が生まれてくる。
早速、残りの攻撃・防御・魔力・器用・早さを鑑定することにした。
攻撃:戦いで勝つことの出来る力の強さのこと。筋力、戦略、チームワーク、武器使いこなし度が上がるだけ攻撃が上がる。上限はない。
防御:戦いにおいて死なないようにする強さのこと。防具の強さ、逃げる時のスピード、魔法や武器を使って身を守ることの総合の強さが上がる程防御が上がる。上限はない。
魔力:魔法を操る能力。これが高まる程、様々な能力を発揮出来るようになる。また、使えるスキルが増える。上限はない。
器用:何かを創造したり、コミュニケーション能力を高める、学業の能力を高める等、一般生活において有利になることを行うと高まる。上限はない。
早さ:何かを行う時にいかに効率よく、無駄なく出来るか。上限はない。
……は?言葉が出てこない。それほどまでにステータスの内容は前世と違った。
ゲームやファンタジーの内容がリアルなハズないのは知っていたが、流石にこんなにも違うものとは思っていなかった。
この5つをマスターすればチートだなんて、前世でもそうだとしか言えないではないか。
ファンタジーの世界は前世の記憶があればチートになれるのではないか、という淡い期待は今正に水泡と化したのだった。
あまりにも呆然としていたからか、いつの間にかにステータスが消えていた。
ステータスが消えたのなら、本当にこれからすることがないから、寝ることにしようか。
混乱している頭を、一度思考停止にし、目を瞑る。何故か、すぐに眠りに着けたのだった。
投稿遅れてすみませんでした。
今までPCが使える状況でなかったんです。親に取られてました。
今後、このようなことが起きる可能性があります。御了承下さい。
次回の投稿は、一週間後にさせて戴きます。一週間後からは毎日投稿が出来るので。
一週間後、午後6時予定です。
よろしくお願い致します。