即席部隊
俺と紅葉は部隊を指揮する暦の元へと足を運んでいた。
「あと少しで部隊長のところにつく、チビ。」
こいつをめんどくさいという理由で、これからはチビということにした。
「誰がチビですか、いい加減その口を治さないとたとえ年が上だろうが、後ろから斬りつけますよ。私にはちゃんとしたとした名前があるんです。名前が。手寺紅葉という名前が!!」
そういい、柄を掴む紅葉。もうそれだけで、彼女の本気度は伺える。しかし……
「まだまだチビなのは変わらない。強情なんて張るのは、お前にはまだ速い。もっと背が伸びた時に言うんだな、短気なおチビちゃん。」
もちろん愚弄してチビにそう告げる。顔に怒りのマークは五つあるだろうか。顔から湯気が出るほど、俺の言葉にチビは切れていた。
だが、それはチビに出来なかった。下唇をカタカタと噛み締めたまま、剣にかかけた手元を止める。
その理由は体で覚えてているほどのルールにある。
この建物内では抜剣は厳禁だ。
それがたとえお遊びのつもりでも、抜けばすぐ係員に拘束され、そのあとすごい罰を受けることになる。
四六時中作動させているモニターがそれを物語っていた。もちろんそれが例外なところもある。だが、ここは廊下。その範囲内だった。




