ヒロインよりも敵のボスキャラの方が可愛いことってあるよね
久々の更新です。何とかやっていきます。
えーと・・・なんだこの状況は。なんで俺は魔王と向き合ってテーブルに座ってるんだ。
しかも、目の前には料理が並べられていてチキンやらビーフやら他にも色々ととにかく豪華そうなものが美味しそうな匂いを放っていた。
「さぁ、遠慮なさらずにどんどん食べてくださいね。あ、お口に合えばですけど・・・・」
相変らず魔王は顔を赤くしてもじもじしている。
「あ、ありがとうございます」
とはいってもどうしようか・・・とりあえず食べてみるか?でも魔王から出された食事って怪しいよなー・・・
もしかしたら、毒とか入ってるかもしれないし。
そんな考えがあったせいで俺はなかなか料理に手がだせなかった。
そんな時ふと向かい側から視線を感じた。その方向を見ると魔王が俺のことをじっと見つめていた。
一瞬視線が合う。それに気ずいた魔王はすぐに視線をそらしてしまった。
そして、より顔を赤くしまたもじもじしだした。
か、可愛い・・・・はっ!いやいやいやいやよく考えろ自分。相手は魔王だぞ。
そうだよ、俺はここに魔王討伐にきたんだぞ。こんな料理なんてご馳走してもらっている場合じゃない。
「あ、あの!」
「ひゃ、ひゃい!」
突然俺が話しかけたからびっくりしたのか魔王は椅子から少し飛び跳ねるようにして返事をした。
・・・・本当に魔王なんだよなこの人。
「せっかく料理とかふるまってくれて嬉しいんですけど、俺ここには目的があって来たんです」
「も、目的ですか?」
「はい、そしてその目的とは・・・」
「目的とは?」
俺は深呼吸して心を落ち着けた。
「魔王! あなたをここで倒すことです!!」
「え・・・・」
言った。言ってしまった。でも俺にはこの人?相手なら何とかなるんじゃないかという希望があったからこそ言えたのだ。
「私を倒すためにここに?」
「そ、そうです」
魔王は少しの間ポカーンとしていた。今のこの状況がよく理解できていないようだった。
ていうかあれ?何だこの空気。俺的にはもうちょっと何かリアクションが欲しかったのだが・・・
「じゃ、じゃあ私に会いに来たというのは・・・」
「そういうことです」
すると、魔王は少し泣きそうな顔になりワナワナと震えだした。
「わ、わわわわわわわわわわ私、私・・・ごめんなさーーーーーーい!!」
「ええええええええええええええええええええ!!」
魔王が謝っちゃった!?
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!お願いだから許してください!! 痛いのは嫌ですーーーーー!」
ひたすら俺に頭を下げる魔王。
「いや、あの落ち着いてください。大丈夫ですよ。倒すとは言ったものの俺も争う気はありませんから」
それを聞いた瞬間魔王は軽く泣きじゃくりながらも頭を下げるのをやめた。
「ほ、ほんとうですか?」
「ええ、俺は争いは好まないタイプなんで」
それを聞いて少し安心したのか魔王の表情が若干和らいだように見えた。
「とは言ったものの、俺はあなたを倒さなきゃいけない。そこで・・・」
「そ、そこで?」
「ちょっとゲームをします」
「げ、ゲーム?」
魔王は頭の上から?マークをだしていた。
「そうです。そしてそのゲームとは・・・・」
俺はお城の武器庫で武器を選んだ時に考えていた作戦を実行することにした。