異種族ってなんかいいよね
グダグダですがよろしくです。(泣)
そこにいたのは目のやりばに困ってしまうくらいナイスボディをしたお姉さんだった。肌の色は茶色くこれは褐色肌というんだろうか?瞳の色は綺麗な赤色で、髪の色はピンク色に染まっていて何だか少し色っぽい感じがした。
しかし、そんなことよりもまず俺の目に付いたのは彼女の背中に生えている
「は、羽?」
しかも、ただの羽ではない。何かの映画で見たことあるような立派な悪魔の羽が生えていた。
それを見た瞬間俺は悟った。この人は人間じゃない!!俺の中の危険を知らせるアラームが大音量で鳴り響いてる!!
「す、すいませんでしたああああああああ!!」
とりあえず土下座した。
「ど、どうしたんですか!?大丈夫ですか?」
彼女が俺に手を伸ばそうとした
「ひいいいいいい!?お、お願いです殺さないでええええ!!」
「ええ!?」
俺はひたすら土下座した。嫌だ!こんなところで死にたくねぇ!!
「ちょ、ちょっと大丈夫ですよ。そんなことしませんって」
彼女が慌てたような声で俺にそう言ってきた。
「ほ、本当に?」
「本当ですよ!!だから落ち着いてください」
彼女は軽く微笑みながら優しい声で俺をなだめようとした。
少しして
「落ち着きました?」
「は、はい」
あの後、俺は彼女に部屋に案内されてなぜかお茶をご馳走になっていた。
しかし、この部屋あのおぞましい扉の見た目とは裏腹に中に入るととても可愛らしいまさに女の子って感じの部屋だった。アンバランスすぎるだろ・・・
「あの~ところであなたは?」
「は、はい!私怪しいものではありません!」
「?」
「お、俺の名前は佐藤勇治っていいます」
「佐藤勇治さんというのですね。私はテスタ・スキンスといいます。種族はサキュバスです」
彼女はにっこり笑いながら自己紹介をしてくれた。
「サキュバス?」
何かで聞いたことがある。確かサキュバスって男性の精気とかを吸い取るとか何とかっていう悪魔?だったっけ?
「はい。あ、でも心配しないでください。私は人間を無理矢理襲ったりしませんから」
「は、はぁ・・・」
それを聞いて少しは安心したがそれでも油断はできない。なんたってここは魔王城の中なのだから。
何が起こるかは分からない。
「そ、その羽もサキュバスのものなんですか?」
俺はずっと気になっていたことを聞いてみた。
「ええ、そうですよ。あ、少し怖いですよね。ちょっと待ってください」
そう言って彼女は何かつぶやいた。すると次の瞬間、羽が徐々にテスタさんの背中えと消えていった。
「す、すげぇ・・・」
その光景に思わず見入ってしまう。一体どうなってるんだろう?
しばらくするとテスタさんの羽は完全に消えてしまった。
「これならもう怖くないですよね?」
「あ、あはははは・・・」
俺は苦笑いしかできなかった。
「ところで、佐藤さんは人間ですよね?こんなところに何か御用でもあったんですか?」
「え、いやその・・・」
言えない。魔王を退治しに来ましたなんて言えない。絶対やばいことになる。
「ちょ、ちょっと立ち寄ってみたというか面白そうだったから入ってみたというか・・」
「そうなんですか?」
「ま、まぁ・・あはは」
「うーんでもここあんまり面白いものなんてありませんよ。ここよりも城下町の市場のほうが全然面白いですよ」
「へ、へぇー。そ、そうですか」
「なんなら今からご案内しましょうか?」
「い、いやそれはまた今度でいいかな・・」
「そうですか・・」
テスタさんは少し残念そうにしていた。案内してくれようとするなんて案外いい人?なのかもな。
「それじゃあ、このお城の中を案内しましょうか?」
「あ、あの」
「はい?」
俺は勇気をだして言ってみることにした。
「案内もいいんですが俺実は魔王様に少し用があって・・・」
「・・・・え!?魔王さまに!?」
あれ?テスタさん?何で驚いてるの?
「魔王様に用っていったいどんな?」
テスタさんが少し険しい顔で聞いてきた。やっぱりやばかったのかも。
どうしよう・・・嫌な予感がしてきた。
「あ、いやそのどんな人なのかなぁーと思って。少しお話でもできたらなぁーと・・・」
「魔王様と!?」
テスタさん何でそんなに大声出すの!?やばい、怒ってるのかも・・
「で、でも俺みたいなのが魔王様と話したいなんて図々しいですよね。いや、ホントすいませんでしたああああ!!」
本日二度目の土下座。
「魔王様と人間がお話?・・・まさか佐藤さん」
え?なにこの空気。俺まずいこと言ったのかも・・・
「佐藤さん・・・」
「ひゃ、ひゃい」
呼ばれて顔を上げると・・・あれ?テスタさんなんでまた羽が戻ってるの?何そのゴゴゴゴゴ・・・っていうオーラ!?
「人間が魔王様と・・人間が魔王様と・・まさか・・まさか・・」
「ひいいいいい!!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!」
俺はひたすら謝った。もしかして俺がしようとしていることがばれたのか!?
ふいにテスタさんが俺の肩をガシッと掴んだ。かなり力強く掴まれ無理矢理立たされた。
「うわああああああ!」
「佐藤さん!ぜひ魔王様とお話してあげてください!」
「やだーー!!こんなところで死にた・・・・」
・・・・・・・・・・・・へ?
「い、今なんて?」
「ですから、ぜひ魔王様とお話してあげてください!!きっと喜びますよ!!」
な、なんだこの展開。何で俺と話して魔王が喜ぶんだ?
「あの・・」
「そういうことなら早く言ってくれればよかったのに!それじゃあすぐに行きましょう」
「ど、どこに?」
「決まってるじゃないですか、魔王様のお部屋にですよ!」
「え!?いきなりですか!!で、でもまだ心の準備が・・・」
「さぁ、行きますよ」
そう言ってテスタさんは俺の手をギュッと握る。そして大きな羽を勢いよく広げると・・
「あれ?なんかこれ嫌なよか・・・」
俺の予感は的中した。テスタさんが羽をはばたかせいきなり空中に浮かびだした。当然俺も手を握られているので空中に浮かぶことになった。
「ちょっ!?うわあああああああああああああ!!」
「しっかり掴まっててくださいね!!」
部屋の扉を思い切り開け放って部屋の外に出るとそのまま低空飛行をして長い廊下を進んでいく。
「なあああああああああああ!!たーーーすーーーけーーーてーーーー!!」
「大丈夫ですよ、すぐに着きますから」
テスタさんはそんな俺を見ながらクスクス笑っている。
しばらく進むと今度は螺旋階段のある場所に出た。かなり上まで続いているようで見上げてみても階段の終わりが見えなかった。
「さぁこの先に魔王様のお部屋がありますよ」
「え!?こ、これを上るんですか・・・」
絶対に無理なんですけど・・
「大丈夫ですよ、私が連れて行ってあげますから!」
「え、連れて行くってまさか・・・」
「はい♪」
ガシッと手を握られる。そして・・
「じゃあ、行きますよ!くれぐれも落ちないでくださいね?」
「ですよねーーーーーー!!!ああああああああああああああああああああああああ!!」
俺の体は大きく宙に舞いそのまま螺旋階段の中を飛びぬけていく。
「もう嫌だあああああああああああああああ!!!」
「もう少しですよ、頑張ってください」
俺、魔王の部屋についたら結婚するんだ・・・そう胸に誓った。