これっていわゆるチートってやつ?
お久しぶりに更新します。グダグダになるのは確実だがな!!
「シェリルさん!! 危ない!」
「しまっ!!」
サクマの斬撃がシェリルさんに迫る。
このままじゃシェリルさんが!! しかし、自分にはどうすることもできない。
駄目だ。こんな何もできないで終わるなんて駄目だ!
「もらったああああああああ!!」
サクマが雄叫びをあげながら剣を振り下ろした。
「くっそーーーーーー!!」
その時だった、
‘ドクンッ!’
う! 何だ? 俺の心臓がひときわ強く鳴りだした。胸に痛みが走り、胸元を掴んだまま俺は思わず俯いた。こんな時に一体何だってんだ!?
そう思った時だった、
「な、なんだこれは!?」
サクマが驚いたような声をあげる。
それを聞いて慌てて顔をあげるとそこには、
「あれは・・・・」
シェリルさんとサクマの間に大きな白い盾のような形をした遮蔽物が出来ていた。その遮蔽物は、シェリルさんの体をすっぽりと飲み込むほどの大きさがあり、真ん中にはでかでかと赤い十字架のような模様が描かれていた。
な、何なんだあれ。一体どこからでてきたんだ? シェリルさんを守るようにそびえ立ったそれは、サクマの剣を受け止めそして一瞬で崩れ去っていった。
「ハァッ!!」
それを見て呆気にとられていたサクマをシェリルさんは鞭で弾き飛ばした。
「グアァ!!」
思い切り弾き飛ばされたサクマはどうやら偽物だったらしく、地面に落ちると泥人形のように崩れ去っていった。
「ふぅ・・・・危なかったな」
シェリルさんは鞭を構え直すと再び体制を立て直した。
「シェリルさん、大丈夫ですか!!」
「あぁ、なんかよく分からんがな」
どうやらシェリルさんにもあの遮蔽物がなんなのかは分かっていないようだ。
「ふ、ふふふふふ・・・・何やら妙な小細工を仕掛けてくれましたねぇー。魔王様」
どこからともなくサクマの声が聞こえてくる。相変わらずどこから聞こえてくるのかは分からない。
「はん! 残念ながらあたしはなんにもしちゃいないよ」
「そうですか。まぁ、どうでもいいですが・・・・次は外しませんよ」
また周りの茂みや木々がガサガサと揺れ始める。その動きは明らかにシェリルさんを惑わそうとしているかのようだ。
「ったく、イライラするねー!!」
シェリルさんは今度は自分から攻め込まず相手が飛び込んでくるのを待っているようだ。
四方八方で何かが動いている気配がする。気味が悪くてしょうがない。
「はぁああああ!!」
そして、またしてもサクマはシェリルさんの背後から切りかかろうと飛び出してきた。
「そこかっ!!」
しかし、今度はシェリルさんも警戒していたためサクマの斬撃を躱し鞭を振るった。
「うぐっ!!」
「よっしゃ命中!!」
鞭は綺麗にサクマの顔面を捉えた。滅茶苦茶痛そうだが相手が相手なので俺も思わずガッツポーズをしてしまった。
しかし、
「ふふふふ、魔王様。私は今五人いるんですよ」
さらにその後ろからもう一体のサクマが飛び込んできた。
うわっ! きったねぇあいつ!!
「くっ!!」
シェリルさんは何とか斬撃を躱す。しかし、微妙に刃がかすっていたらしく、腕のあたりの衣服がスパッと切れていた。
「まだまだいきますよ!!」
体を奇妙にくねらせるとサクマはさらに斬撃を加えていく。シェリルさんはそれを何とか受け流してはいるが、このままでは完璧にあちらのペースになってしまう。
「ふふふふふふ・・・・・・随分と避けますねぇ。それならこれはどうでしょう!!」
サクマが指を鳴らすとさらに茂みから残りの二体が飛び出してきた。
「えええええええ!! ちょ、それは卑怯だろ!!」
「戦いに卑怯もくそもないんですよ!!」
一体の攻撃を受け流すのに必死なシェリルさんには三体同時はかなりきついはず。
つまり、これは大ピンチ!!
「ッチ!!」
「はははははははは!! これで終わりだぁああああああ!!」
三体のサクマが同時にシェリルさんに斬りかかる。
右から左から上からと様々な方向からこられたら対処しきれない!!
「くっ!!」
「シェリルさん!!」
そして、またしてもサクマの剣がシェリルさんを捉えようとした。
が、しかし
「なっ!?」
またしてもあの謎の遮蔽物が、今度はシェリルさんの全身を包むようにして立ちはだかった。それによってサクマの斬撃はまたしても弾き返されてしまう。
「くっそぉおおおおおお!! なんなんだこれはぁぁぁぁああああ!!」
先程から邪魔されているのがよほど頭にきたのか、サクマは遮蔽物に向かって何度も勢いよく斬撃を放った。しかし、この遮蔽物はビクともしないどころか傷一つついていない。
そして、サクマが何度目かの斬撃を放った時だった、
「な、なんだこいつ!?」
剣が遮蔽物に触れた瞬間、サクマが握っていた剣と腕を急に飲み込んでいった。まるで液体のようになり、サクマは驚いて引き抜こうとするがどうやらびくりともしないようだ。
「くっ!! ぬあぁぁぁぁああああ!!」
あれ? これってもしかしてチャンスじゃね?
「シェリルさん!! 今、チャンスですよ!!」
「あぁ、わかってるよ!!」
シェリルさんは遮蔽物の中から勢いよく飛び出してきた。飛び出してきた部分はガラスのようにパリンと割れ、そして一瞬で元に戻っていった。
「さぁて・・・・さっきまでよくもまぁ散々やってくれた悪い子には・・・・」
シェリルさんはビシィ!! と鞭を思い切り引っ張り
「お仕置きが必要だよな!!」
重クソ楽しそうな笑顔を作りながら鞭を構えた。その笑顔にサクマだけではなく、俺もシグナムも背筋が凍りついた。
「まずは・・・・一体目ぇ!!」
勢いよくサクマに鞭を振るい始めるシェリルさん。
「グガァ!!」
「うらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらうらぁああああああああ!!」
ひぃぃぃいいいいいい!! なんだこの地獄絵図は!! これなんて拷問現場!!
しかし、こいつは偽物だったらしく徐々に体が崩れていく。
「こいつは本物じゃあないと。次ぃ!!」
ビクッと体をはねさせるサクマ。どちらが本物なのかは今のところ全く分からない。
「次はお前だ!!」
シェリルさんは片手をかざすと黒い電流の塊を作り出していく。
「はぁぁぁあああああああ!!」
そして、それをサクマめがけて思い切り投げつけた。
「あぎゃあああああああああああ!!」
サクマは断末魔をあげ、吹き飛びそのまま地面に倒れ込んだ。体中からはプスプスと黒い煙が出ている。
しかし、こいつも偽物だったらしく体がボロっと崩れていく。
「こいつもちがう。ってことは・・・・」
シェリルさんが残ったサクマをギロリと睨みつける。
「ひっ!!」
先程まで自分の偽物がされてきたことを見ていた本物は体をガタガタと震わせていた。
「お前が本物だったのか。それじゃあ最後は・・・・」
シェリルさんはまた鞭を構える。
「シ、シェリルさん。今更ですがやりすぎないでくださいよ。間違っても命を奪うようなことはしちゃダメですからね」
俺は念のために警告しておくことにした。
「大丈夫だよ。心配するなって」
そして、シェリルさんは何か魔法を使い鞭に黒い電流を纏わせさらに巨大化させたものを思い切り振り上げた。
うわー・・・・何それ。
「全身に激痛が走って意識が無くなるくらいにしといてやるからよ!!」
その鞭はサクマめがけて思い切り振り下ろされ、
「うえぎゃぁぁぁああああああ!!!!」
強烈な電撃と凄まじい衝撃によりサクマの体を思い切り吹き飛ばした。吹き飛んだ体は木々を数本なぎ倒しやっと止まった。
「シェリルさん? こいつ死んでないですよね?」
「ああ、大丈夫だよ。気絶してるだけだ」
吹き飛ばされたサクマを確認しとりあえず無事?だけを確かめる。
「とりあえず、こいつはこのままにはしておけないからあたしの転移魔法で城の地下牢にでも閉じ込めておこう」
そう言って、シェリルさんはサクマの体を持ち上げると
「スレイド。行き先、魔王城の地下牢」
そう唱えた瞬間、サクマの体が光りどこからともなく現れた魔法陣に飲み込まれていった。
「シェリルさん、そんな魔法も使えたんですか?」
「まあな、普段は全然使わねぇけど」
そうなのか。いろいろあるんだなぁ魔法って。
「シェリルさん! 佐藤さん!」
シグナムがこちらの方に勢いよく飛んできた。
「どうした? シグナム」
「他の皆が目を覚ましました!! 背中についてた変な結晶も消えて元に戻ってくれました!! あとあと、大妖精様も目を覚まされました!!」
「本当か!!」
どうやら他の妖精たちは皆、無事なようだ。
「でも、大妖精様はまだ少し辛そうで・・・・だからシェリルさんに回復魔法をかけていただきたいのですが」
あー・・・・そういえば表のシェリルさんは回復系の魔法が使えるって言ってたっけ。
「あん? あたしは回復魔法なんて使えないぜ?」
「え、でも・・・・」
「あーシグナムちょっと待ってくれな」
「ん? なんだよ」
「シェリルさん。表の性格に戻ってください」
「表? ・・・・あー、そういうことか」
そこまで聞いてシェリルさんはどういうことか悟ってくれたようだ。
「え? え? どういうことです~?」
「ははは・・・・気にしないで」
「わかったよ。じゃあ、後はもう一人のあたしに任せるわ」
「はい。お疲れ様でした」
シェリルさんはゆっくりと目をつむった。
そして、
「あれ? ここは・・・・」
「シェリルさん。大丈夫ですか?」
「あ、佐藤さん。シグナムさんも。あれ? 私今まで何をしていたんでしょうか?」
どうやらいつものシェリルさんに戻ったようだ。
「ははははは、おかえりなさい。シェリルさん」
「え? あ、はい・・・・ただいまです?」
こうして何とか俺達はこの森の異変を解決したのであった。
作「ひっさしぶりの~~反省会ーーーー!!」
‘ビッシィ!!’
作「痛ーーーーーーい!!」
シ「お前どんだけほったらかしにしてんだよ!!」
佐「本当だよ!! 忘れ去られてんのかと思ったぞ!!」
作「いやーすまん、すまん。だって話の続きが思いつかなくてさ~」
シ「それにしても期間空きすぎだろ!!」
佐「なんだ? 作者の分際でスランプにでも陥ってたのか?」
作「そういうのじゃなくて・・・・なんていうか、他の人が書いてる面白い作品の数々を読んでいたら何か、俺の書いてるの大丈夫かなって」
シ「そんなの人は人! うちはうち! だろうが」
作「いやまぁそうなんですけどね・・・・」
佐「はぁ~・・・・まぁいいよ。こうしてまた更新をしたわけだし」
作「まぁー次はいつになるか分からんけどね(笑)」
シ・佐「はぁーーーーー!!」
作「と、いう訳で今回はこのへんで。それでは皆さんお元気でー」
佐「ちょ、まっ・・・・」