初期装備って意外と大事
ファンタジーって書くの難しいですねぇ~・・・
カトレアさんに案内されて武器庫の中に入ってみる。するとそこには
「な、なんじゃこりゃ・・・」
部屋の中にはおびただしい数の剣やら鎧やら俺がいた田舎町ではまず見ないであろうものがところせましと飾られていた。入り口から眺めただけでは奥のほうに何があるか分からないほど部屋もかなり広い。
「すげぇ~どんだけ武器の種類あるんだよ。ってかこの中から選ぶの?」
「はい。魔王討伐のためにはこれくらいしないといけませんから」
気合入ってんなー。ここまでしないといけないくらいすごい魔王って一体どんなんだろう?
「・・・・・・・・・・」
あ、だめだ想像しただけで俺の中の危険を知らせるアラームが大音量で鳴り響いてる。
「さぁ勇者様お好きな武器を選んでください」
「は、はぁ~」
お好きな武器を選んでくださいと言われましてもどうすればいいんだよ。こんなの使ったことも無いのに。とりあえず部屋全体を見るために奥の方えと進んでいく。途中どうやって使うかも分からないような武器がたくさんあったのでカトレアさんに説明をしてもらったがどれもこれも俺が使いこなせそうなものではなかった。
というか本音を言えば武器なんか使いたくなかった。俺は平和主義派なので魔王と戦うなんてもってのほかだし。話し合いとかで何とかならんもんかなぁー。
そんなこと考えながらしばらく部屋の中を見てまわったがどれもこれもしっくりくるものが無かった。
「勇者様お気に召したものはありましたか?」
「うーーん・・もう少し見てまわってもいいかな?」
「ええ好きなだけ見てください。あ、ちなみに私のおすすめはこの龍殺しの剣かこちらの10tハンマーでございますわ」
ぜっっっっっっっっっったい嫌だ!!!!なにそれ!どちらもありえないほどの禍々しいオーラがにじみ出てるんですけど!!
「遠慮しとくよ・・ははは・・・」
まずいぞこれは早くいい感じの武器を見つけないととんでもないやつを使う羽目になるかもしれん。それだけは絶対に避けなければ。
そしてまたしばらく部屋をきょろきょろしていると
「あれ?なんだあの箱?」
さっきは気ずかなかったけど他の武器の陰に隠れるようにしてポツンと少し大きめの箱が置いてあった。
「カトレアさんあの箱はなんですか?」
「ああ、あれは武器開発をしている時に試作品として作ったのですが出来がよくないからという理由で駄目になったものを入れているものですね」
試作品か。一体どんなんだろう?とりあえず箱を開けてみる。そこで俺は思わず自分の目を疑った。
「こ、これはまさか!!!」
そこにあったのは叩くと可愛い音のする真っ赤な格好をしたあいつだった。そうそれは
「ピコピコハンマーーーー!!」
ってなんでだよ!!!!!なぜピコピコハンマーがここに!やる気あるのか武器開発者!
「そのハンマーは叩いてもやわらかいためあまり攻撃の威力がなくて叩く時にピコッという音がするだけの失敗作ですわ」
まぁ魔王相手にピコピコハンマーは確かにないよなぁ。むしろ魔王に馬鹿にしているのかと思われて怒りをかいそうだし。これは無理があるか・・
そう思っていたがここで俺はふとある名案を思いついた。
「そうか。そうだ!この手があったか!!」
これならば平和的解決ができるかもしれない。うん、いける!!俺は決心した。
「カトレアさん俺この武器にします!この武器で魔王を倒して見せます!!」
「え!こ、これでよろしいのですか?ですがこれは失敗作ですよ?」
「大丈夫です俺に任せてください!絶対に大丈夫ですから!だからおねがいします!!」
俺がそう言うとカトレアさんは少し何か考えはじめた。
頼む、頼むから龍殺しとか10tとかはやめてくれーーーー。
そんな俺の願いが届いたのかカトレアさんはしばらく考え込んだ後
「わかりました。勇者様がそこまでおっしゃるのならお任せいたしますわ」
よっしゃぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁl!!!!
「ありがとうございます!!」
こうして俺は魔王討伐のためにピコピコハンマーを装備していくことになった。
うん、まぁなんとかなるだろう。・・・・・たぶん。