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聖樹木を目指して(3)

久々に続きです。

裏シェリルさんが出てきたことによって一気に状況が逆転した。さっきまで敵意剥き出しだった妖精達も何が起こったのかと警戒している。


「ったく、こんな奴ら相手に何であそこまで逃げ回らなきゃならないんだよ」


そう文句を言いながら妖精達に近づいていくシェリルさん。妖精達はそれに合わせて少しずつ後ろに下がっていく。


「んん? どうした? びびってんのか? さっきまでの威勢はどうした?」


シェリルさん滅茶苦茶挑発してる。しかも、うっすら笑ってるからかなり不気味なんですけど。

そんな挑発を受けた妖精達のリーダー格はキッとシェリルさんを見据え再び槍を取り出すと狙いを定めるように構えだした。


「全員怯むな!! もう一度攻撃の用意!!」


そう号令を掛けると他の妖精達も再びシェリルさんに槍を構える。


「はぁ~・・・・まだやる気か。ほら、やるならさっさとしろよ」


シェリルさん余裕シャクシャクじゃねぇか!! それどころかこの状況を楽しんでいるような気がする。


「くっ!! 各自狙いを定め槍を放てえぇええええぇぇ!!」


そんな態度に苛立ちがピークに達したのか、妖精達は声を荒げながら思い切りシェリルさんに向け槍を投げる。

さっきの時よりもずいぶんと勢いがついているためか速さが違う。

しかし、そんなこと気にする様子も無くシェリルさんは片手を前に突き出した。


「なんだよお前らの全力ってのはこんなもんか?」


次の瞬間シェリルさんの手から黒い稲妻の波のようなものが放たれる。

その波に飲まれた槍は一瞬にして黒い塵になり消え去ってしまった。


「す、すげぇ・・・・」


何ていうか今のを見て思ったんだが力の差がありすぎじゃないか? ここまでくると妖精達の方が可愛そうになってくるぞ。


「ば、馬鹿な・・・・我々の攻撃が一瞬で・・・・」


妖精達は呆然としている。

そりゃそうだよな。そうなるよな。俺達だって呆然としてるんだから。シグナムなんてさっきから隣で滅茶苦茶、瞬きしてるし。


「さてと、んじゃそろそろ反撃といきますかねぇ」


ニタリと笑い呆然としている妖精達に近づくシェリルさん。何でそんなに不気味な笑顔が出来るのか、小一時間問い詰めたい気分になる。


「ひっ・・・・!!」


近づいていくたびに怯えた表情になる妖精達。あまりの勢いに飛ぶことが出来なくなり地面にへたり込んでしまう。


「さぁてどうしてくれようか・・・・」


「ちょっとまったぁぁああああああ!!」


「何だよ、今いいところなんだから邪魔するなよな」


いいところじゃない!! 全然いいところじゃないよ!! さすがに俺の体が動いたわ!!


「シェリルさんこいつらをどうするつもりですか?」


「どうするってそりゃちょっとばっかし痛い目見てもらわないとなぁ」


‘ちょっとばっかし’俺はこの部分に敏感に反応した。

シェリルさんの言うちょっとばっかしってどれくらいだ? 裏バージョンの場合色々と心配しないと大惨事になりかねないからな。


「シェリルさん本当にちょっとばっかしなんですね? そ、その死に追いやったりとかはしないんですね?」


「お前は私のことをどんなやつだと思っているんだ? 大丈夫だよちっとばっかし痛い目見させて眠ってもらうだけだから」


本当かなー? いまいち信用できないんだよなぁー。そんな、意思を込めた視線をシェリルさんに向ける。


「なんだよその目は・・・・お前から眠らせてやってもいいんだぞ」


あ、やばい。怒ってる。完全に怒ってる。このままじゃ本当に俺から眠りについちまう。


「わ、わかりました。でも本当にやりすぎないでくださいよ」


「わかってるって」


そう言うとシェリルさんはリーダー格の妖精に近づいた。そして片手でヒョイと持ち上げる。


「な、何をする!! 放せ!!」


じたばたと暴れる妖精。シェリルさんはその妖精の額に指を当てにんまりと笑った。


「いい夢見ろよ妖・精・さん」


そう言うとシェリルさんの体の周りに黒い稲妻がはしりその稲妻が妖精の額めがけて突っ込んでいった。


「ひぎゃあああぁぁぁぁあああああぁあああ!!」


凄まじい悲鳴が森の中にこだまする。それはもう聞いてる方が嫌になるようなものだった。


「っておいいいぃぃぃいいいいいいいいいぃい!!!」


話が違うぞ!! ちょっとって言ったよな!! 滅茶苦茶悲鳴上げてるじゃないか!!


「シ、シェリルさんストップ!! ストッォオォォォオオプ!!」


「あん? なんだよ」


なんだよじゃねぇよ!! 何やってるんだよこの人は!!


「シェリルさん少しだけって言いましたよね!? 滅茶苦茶痛そうな目にあってるじゃないですか!!」


「いや確かに最初は痛いかも知れねぇけど大丈夫だって。ちゃんと力も抑えてるし失神以上、黒焦げ未満に」


それ抑えてるのか!! 抑えられてるのか!?


「そうだったとしてもやりすぎですって!! ひぎゃああああ言ってるし!!」


俺の猛抗議にシェリルさんは面白くなさそうな顔をしている。しかし、こればっかりは引くわけにはいかない。何事にも限度というものはあるのだから。


「はぁ~・・・・わかった、わかったよ!! もう少し穏便に済ませりゃいいんだろ?」


「おお!! わかっていただけましたか!!」


シェリルさんは何だかんだ結構折れてくれることがあるので助かる。


「軽く気絶する程度に抑えてやるよ。それなら文句ねぇだろ?」


「まぁそれくらいなら・・・・」


俺が了承するとシェリルさんは他の妖精達にも同じように指を当て稲妻をくらわせていった。

威力は目に見えて弱くなっているのが分かったが「ひぎぃ!!」だの「ぎぃやぁ!!」と悲鳴が聞こえてきたのでその度にハラハラしていたが・・・・


「こんなもんか」


シェリルさんの周りにはぐったりと横たわっている妖精達。なんというかうん・・・・色々突っ込みたいことがあるもののとりあえずおいておこう。


「シグナム、大丈夫か?」


先程から固まったままのシグナムに声を掛けるとハッと我に返ったように辺りを見回した。


「い、一体何が起こったんですかぁ~!?」


状況を理解できていないシグナムはあたふたとしている。

これは、色々説明してあげないと駄目かもなぁー・・・・

すいません。今回はこの辺で力尽きます・・・・

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