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こんな魔王と勇者ってどうですか?  作者: ケセランパセラン
初めの町 クレングス編
14/41

子供の消える町クレングス(4)

吹っ切れた(笑)

翌日、俺達はアーデルとの約束のために町の教会の前に向かっていた。



「あー・・・・・体中が痛い・・・・・・」

「大丈夫ですか佐藤さん?」

昨日くらった電撃のせいで体のあちこちがひりひりする。

まぁ、自業自得なんですけどね。

「それにしてもやっぱりシェリルさんって魔王なだけありますよね。あんなすごい電撃使えるなんて」

「へ?なんのことですか?」

「え?昨日あのドアになんかしたのシェリルさんじゃないんですか?」

「わ、私は何もしていませんよ!佐藤さんがドアの前で倒れてて私だってびっくりしたんですから」

なんですと!?じゃあ昨日のあれはいったいなんだったんだ?

「そういえば、佐藤さんは何であの時あんなところに倒れていたんですか?」

「え!!あー・・いやその・・ちょっと色々ありまして」

「色々ですか?」

まずい!実は覗こうとしてましたなんてばれたら軽蔑されるかもしれん。

「そ、そのことはおいといて早く行きましょう。もうアーデルも来てるかもしれないし」

「あ、待って下さい佐藤さん」

俺はこの話から逃げることにした。



教会の前につくとすでにアーデルの姿があった。

「あ、お兄ちゃんたちこっちこっち」


「おお、悪いな待たせたか?」


「ううん、僕も今来たとこ」


「そうですか。ならよかった。それでアーデルさん昨日のお話のことなんですが」

「とりあえず、詳しく聞かせてくれないか?」

俺達は近くにあったベンチに座りアーデルの話を聞くことにした。


「あのね、この町で今子供たちがどんどん消えていってるていうのはお兄ちゃんたち知ってる?」


「ああ、知ってるぞ。行方不明になってるんだろ」


「うん。それでねそのいなくなっちゃった皆のことなんだけど実は僕どこに皆がいるのか知ってるんだ」


「ええ!知ってるんですか!!」

シェリルさんが驚いた顔でアーデルを見る。

「そ、それでその皆ってのはどこにいるんだ?」


「えっとね、この町から少し外れたところにでっかい森があるんだ。その森の奥のほうまで進むと大きな洞窟があるんだけどその洞窟の中に皆閉じ込められてる」


「閉じ込められてる?」

森の中の洞窟ってまたすごいところに閉じ込められてるな。


「皆牢屋みたいな部屋の中に閉じ込められてた。皆怪我とかはしてなかったけど・・・・・・」


「ちょ、ちょっと待て。なんでそんなことまで知ってるんだ?」

洞窟の中に連れて行かれてるってのはまだ分かるがなんでその内部のことまで知ってるんだ?


「だって、僕中に入ったから」


「入ったのかよ!!」

なんつー危険行為をしてるんだこの子は。


「それに、あそこは僕の友達の家だからその時もいつものように普通に入っていったんだ」


「・・・・・・はい?」

え?友達の家ってどういうこと?森の中にある洞窟が家?

「そ、それってどういうことだ?ま、まさかお前のその友達ってやつがこの町の子供たちをさらっていってるってことか?」


「・・・・・・・・」

アーデルはしゅんとなってうつむいてしまった。


嘘だろ・・・・・・マジかよ。ついに嫌な予感しかしなくなったぞ。


「あいつは、あんなことする奴じゃないんだ。確かに体が大きくて少し毛むくじゃらで目が1つしかないような見た目怖い奴だけどでも優しくてとってもいいやつなんだ!」


・・・・・・・んん~~~~~???

今、ものすごく変なワードが盛りだくさんだったような気がするぅ~~・・・・・・


「あ、あのアーデルさんもしかしてなんですけどその方って人間じゃないのでしょうか?」

シェリルさんが俺が今一番気になっていることをずばりアーデルに聞いた。


「実は・・・・そうなんだ。あいつは人間じゃなくて魔族なんだ」


なんてこった!!こうもいきなり関わりたくないような事に関わるはめになるなんてえええええええ!


「魔族って事はあれだよな魔物とかそういうことだよな」


「うん」


「アーデル、お前このことはお父さんやお母さんに話したのか?」


「ううん話してない。だってこんなこと話してあいつが見つかったらきっと化け物だって言われて殺されちゃうかもしれないし・・・・」


あぁー・・・・だよなー。普通そんなことしてる魔物なんて見つかったら退治されるよな。


「本当にそいつ無害なやつだったのか?」


「本当だよ!でも少し前から急に様子がおかしくなって・・・・僕が話しかけても全然反応してくれないし・・・・・・」


それを聞いたシェリルさんが急にうーんと何かを考え始めた。

「シェリルさん?」

「佐藤さん、もしかしたらなんですがこれ私たちが追いかけている旅の一団と何か関係ありませんかね」

「え?どういうことですか?」

「アーデルさんの話を聞くとそのお友達さんは優しくてそんなことをする方ではなかったんですよね。

もしも、もしもなんですけど旅の一団が持っている邪気の笛を使ってその方の思考を操っているんだとしたらそういうことも可能になるのではないかと思いまして」

そういやそんな物がありましたっけ。

「じゃあ、これは旅の一団の連中の仕業ってことですか?」

「可能性はありますね」


「お兄ちゃんたちあいつがああなった原因知ってるの?」


「知ってるっていうかなんとなく心当たりがあるっていうか・・・・」

「アーデルさん。お聞きしたいのですがここ最近の間にこの町で怪しい人物とか見かけませんでしたか?」


アーデルは少し考えるようにうーんと唸る。

少しして何かを思い出したようだ。

「そういえば、町の外から怪しい集団が来たって話しを聞いたよ。何だか皆あやしい服装をしていたって」


「それって・・・・・・」

「ええ、恐らくそうでしょうね」

「ってことはこの事件はあいつらが起こしたって事ですか」

そうとなれば色々と説明はつくしなぁ。


「ねぇ、お兄ちゃんたちお願いだよあいつを助けてやってくれよ。このままじゃあいついつか見つかって町の人達に殺されちゃうかも。そんなのいやだよぉ・・・・・・」

アーデルがぐすっぐすっと大粒の涙を流した。


「佐藤さん・・・・」

「はぁ~・・・・・・正直な話俺たちに何ができるかって感じだけどこのまま放っておくのも嫌なかんじだしなぁ~」

しかたない。こうなったら最早やけだ。

「アーデル!とりあえず俺たちで何とかしてみるから泣くんじゃねーよ」


「え、何とかしてしてくれるの本当に?」


「ああ、とりあえずやれるだけのことはやってみるよ」

「わ、私も頑張ります!」


こうして俺達はアーデルの友達&子供たちの救出のために動くことになった。

正直嫌な予感マックスだが・・・・・・どうにかなるよ・・・・ね?


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