子供の消える町クレングス (2)
お久しぶりです。え?もう覚えてないって?・・・ですよねー
と、いうわけでとりあえず俺とシェリルさんは情報収集をするために町の中心部に向かうことにした。
「それにしてもなんだか静かだな。お店とかはやっているようなんだけど」
「そうですね。何だか町全体が暗いというかなんというか・・・」
町中には色々な店が所々にあるのだがどこもなぜだか活気がない。
それに時々すれ違う人たちも元気がなくみんな俯きかげんだった。
まぁこんなことになっている原因は多分・・・・
「子供が消えるねぇ・・・・」
そして町の中心部についた俺たちがまず見たものは結構な大きさをした立派な教会だった。
白色を基調とした建物のてっぺんには少し大きめの鐘がついていて今まさにその鐘がカーンと鳴り出していた。
「町の外から見えていたのはこれだったのか」
「立派な建物ですねー」
2人して少しの間見入ってしまった。
とりあえず中に入ってみることにする。
「す、すいませーん・・・・お邪魔しま~す」
そう言って入った教会の中はやはり結構な広さがあった。
こげ茶色をした横に長いベンチのような椅子が奥のほうまでずらりと並んであり、そのさらに奥の方にはちょっとしたステージのような場所がありそこにはかなり大きい十字架の飾りのようなものが取り付けられていた。
両脇の窓はステンドガラスになっており色鮮やかなガラスで作られた模様が神秘的でかつ幻想的な光を教会の中に取り入れていた。
「す、すげぇな」
とりあえず恐る恐る中の方に進んでいくとずらりと並んだ椅子に多分この町の住人であろう人たちがところどころに座っているのがわかった。
全員必死に祈りを捧げているような感じで何かを呟いていたり首からさげたアクセサリーのようなものを握り締めて頭を上げたり下げたりしている。
いったい何をしてるんだ?
そう思って俺は近くに座っていた女の人に話しかけてみることにした。
「あ、あのー・・・・すいません」
「ん?なんだいあんたたちは」
「ちょ、ちょっとお聞きしたいんですけど皆さんここで一体何をされてるんですか?」
「何をしてるかって?決まってるだろう皆自分たちの子供が無事で帰ってくるように祈りを捧げているのさ」
「無事帰ってくるようにですか・・・・」
「あぁ。ここにいる人達は皆自分の子供がどこかにいっちまってそのまま帰ってこなくなっちまった人達だよ。町中どこを探しても見つからない。まるで消えちまったかのようにね」
「消える・・・・」
「あたしの息子もいつの間にかいなくなっちまってひたすら探したけど見つからなかった。ひたすら探したのに・・・・どうしてあの子が・・・・」
女の人はそのままうなだれ泣き始めてしまった。
「・・・・・・・・・」
俺とシェリルさんはただその場に立ち尽くすことしかできなかった。
しばらくして教会を出た俺とシェリルさんはこれからどうするかを決めることにした。
「とりあえず、このまま闇雲に動き回っていてもしかたありませんしどこか拠点となる宿を探した方がいいと思います」
「うーん・・・それもそうだな。だいぶ日も傾いてきたし」
というわけで俺とシェリルさんはこの町で行動するために今後必要になるであろう宿を探すことにした。
「さて、それじゃあ探しに・・・・ん?」
「どうしたんですか?佐藤さん」
「いや、なんかあそこにいる男の子こっちのことずっと見てない?」
「え?」
俺が指差した方向をシェリルさんが見る。
そこにはなぜだかこちらのことをジーッと見つめたまま微動だにしない男の子がいた。
白いTシャツと青色の半ズボンにうっすら泥の汚れをつけているその服装はなんだか昔の自分の姿と似ている感じがした。
そして、その男の子は俺たちが彼の存在に気がついたことに気づくと小走りで俺たちのほうに向かってきた。
「な、なんだなんだ?」
そして俺たちの前で立ち止まるとまたジーッと見つめてきた。
「さ、佐藤さん何なんでしょうこの子?」
「さ、さぁー・・・」
ひたすら見つめられた後男の子はようやく言葉を発してくれた。
「お兄さんたち、この町の外から来たの?」
「そ、そうだけど・・・・」
そういうと男の子は少し考えるようにして
「ねぇお兄さんたちちょっとお願いがあるんだけど」
「お願い?」
「な、なんでしょうか・・・・」
シェリルさんが恐る恐るたずねる。
「実は・・・・」
「「実は?」」
男の子は大きく深呼吸した。そして
「僕の友達を助けてほしいんだ!!」