子供の消える町クレングス (1)
前編とかつけてみたり!!
道標に従い俺達はとにかくここから西にあるクレングスと言う町に向かって歩き出していた。
「ほぁ~・・・はぁ~・・・わぁ~」
「・・・・・・・・・・」
シェリルさんはあの魔城から外に出たことが今までなかっただけあって見るものすべてが新鮮なのだろう目をキラキラさせながらあちこち走り回っている。要するに超テンション高い状態であった。
それに比べて俺はと言うと最初は俺もこの世界に来て始めてみる植物やまるでゲームの世界で見たような昆虫なんかにはしゃいでいたがもうかれこれ3時間近く歩いているのでだんだん疲れてきてテンションがた落ちであった。
「あ~・・・まだつかねぇのかーそのクレングスとか言う町は」
進めども進めども見えるのは広大な草原とときおり森のような場所があるだけ。
俺がいた元の世界とあまり変わらないんじゃないだろうか。と思うくらいのまさに田舎の光景であった。
それからまたしばらく歩いていくと遠くの方に小さなレンガ調の民家がちらほらと見えてきた。
「あ、あれがクレングスなのか?」
さらに歩いていくとだんだんとその町並みの全容が見えてきた。
「うわぁー・・・!佐藤さん、つきましたよ!恐らくここがクレングスです」
やっとついたのか。俺たちの目の前には薄い紅色をしたレンガで造られている色々な大きさの民家がところせましと並ぶ住宅街や町の恐らく中央部分にある少し大きな教会のようなもの。それから他にもおいしそうな匂いを放っているパン屋や様々な武器や防具が売っている店なんかもあった。
まぁ、あれだ簡単にたとえるとよくあるRPGなんかにでてきそうな町並みだった。
「へぇ~、なかなかいい町じゃん。ねぇシェリルさ・・・・」
「素敵ですーーーーーー!すごいです!!」
わぁお・・・・シェリルさんのテンションがえらいことになってるよ。
「シェリルさん落ち着いてください。とりあえずどこかで少し休みませんか?」
「はぁー・・はぁー・・そ、そうですね」
というわけでたまたま見つけた喫茶店のような落ち着いた店で休憩することにした。
「ふぅー・・疲れた・・・・ところでシェリルさんこの町に例の旅の一団が来たんですよね?」
「はい、そのはずです。ケルベロスの道標によればこの町に立ち寄ってからさらに西に出発していますね」
なるほど。この町に立ち寄ったってことは俺の予想だけどここで何かしてるよな。たぶん。
そう考えていた時隣の客の声が耳に入ってきた。
「そういや今日17人目の子供の行方不明者がでたってよ」
「またかよ・・最近頻繁になってきてるよな。ったく」
「ああ、可愛そうに。その家の奥さんそれからずっとパニック状態らしい」
なんだ?子供の行方不明者?怪しいな。もしかしたら旅の一団と何か関係があるかもしれない。
「シェリルさん今の聞きました?」
「ふぇ?何がですか?」
ズコーーーーーーーーー・・・・き、聞いてなかったんかい。
「この町で子供の行方不明者が続出しているようです。もしかしたら旅の一団がここに立ち寄ったことと何か関係があるかもしれませんよ」
「そ、そんなことがおきてるんですか!?なるほど確かに怪しいですね」
「少し調べてみましょうか。もしかしたら何か他にも情報が得られるかもしれませんし」
「わ、わかりました」
俺達はこのことについて情報収集することにした。