表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

1分で読める物語

おかしなおうち

作者: ゆい

1分で読める物語

1話完結

毎週土日更新


第11話「おかしなおうち」

ちょっと行ってみたい

暗緑色の 森の中

澱んだ淵の その先に

マホガニーの扉がひとつ


引きずるように開けると 

そこには


老いた魔女がひっそりと

孤独を抱えて生きていた


ある日 

扉の外から声が聞こえる


彼と彼女が訪れた


本当に

扉以外はお菓子なんだね


2人は興味津々 物珍しげに

チョコで出来た柱を撫でる


魔女は 彼らを招き入れ

長い爪を 光らせながら

掠れた笑みで囁いた


おまえ達を 

うーんと太らせ

まるまるにして 

あとで美味しく頂くためさ


そんな言葉が 

届いているのか

いないのか


お屋根のクッキー 

砕いてタルトに


さてクリームチーズの

クッションは・・・


彼が

首を傾げて呟くと


そうね

ヨーグルトの

ジュースと混ぜてレアチーズ 


タルトと合わせて 

チーズケーキはどうかしら?


明るい声で 

彼女が答える


ああ良いね 

それにしよう


彼は魔女を振り返り

にこりと微笑みお辞儀した


ではマダム 

我々からの提案を


お店の名前は

魔女のチーズケーキ屋さん


宣伝は

全てこちらにお任せを


かくして孤独な 森の魔女

かまどで焼かれることもなく


呆気に取られる暇もなく


隠れ家スイーツカフェとして

郊外からも大人気 


めでたし めでたし

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
暗緑色の森の中から始まるところが印象的で、魔女が二人をどうするのかな、と思いましたが、素敵なハッピーエンドですね。 詩が一つの物語になっていて、惹きこまれました。ありがとうございます。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ