表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/6

前回の説明だと足りないと思ったから補足。

 傭兵連合は各企業連合毎に存在し、敵対関係とまでは行かずともライバル関係位。状況によっては各傭兵連合同士で同盟関係を結び協力し合うことなどもある。

 但し派生し、独立したとはいえ、各傭兵連合の出資者である企業連合の影響力は強いので、状況によっては企業連合間での紛争に巻き込まれ、敵対関係になることも。世知辛いね。


追。8ポイントで日間SF欄で18位取ってたのは流石に笑った。SF欄過疎りすぎじゃない?

  評価ありがと。

 凍りついた宙域(フリーズドセクター)に到着すると速度を落としつつ、炉の出力を落とし、船体の一部を開いて排熱版を展開する。宇宙空間は絶対零度だが、真空であり熱電動は起きないが、排熱版とその中を通る冷却液を使うことで、熱放射によってかなりの短時間で冷却が完了する。

 

 なぜここで冷却したかというと、ハイパーレーンを通ってきた際の速度によって、うまく排出することができなかった熱により、船体を傷つけたくなかったため。というのと、ここ一帯を通る輸送船や採掘船との区別を付けづらくするためである。

 いくら宙賊がアホだとしても、ハイパーレーンを抜けてきたばかりの普通の輸送船や採掘船より、明らかに温度の高い怪しい艦には近づいて来るはずもなく、むしろ一目散に逃げ出すことのほうが遥かに多い。

 

 メインモニターの左端に表示させた炉の温度の推移を見て、炉の冷却が完了し、普通の採掘船ぐらいの温度になったことを確認してから、排熱版を折りたたみ、船体に収納する。

 温度がそこまで高くならないようにグラフをモニタリングしつつ、ゆっくりと艦を加速させる。そのまま進路を小惑星帯の中に突入させる。

 

 ちなみに小惑星帯とは言っても小惑星同士の距離同士はそれぞれ4キロから10キロ近く離れており、かなりスカスカである。それでも小惑星1個ずつが直径500メートルぐらいあり、大きい場合には直径5キロを超えるものもあるため圧迫感はかなりのものである。

 

 小惑星帯に突入し、小惑星に衝突させないように、慎重に操作しながら進むこと、約20分。レーダー上に、自艦の位置から400キロほどに位置に、直径3キロを超える小惑星の側に固まって停泊する5隻ほどの艦影が映る。

 果たして、この艦隊は宙賊だったようで、向こう側のレーダー上にもこちらの様子が写ったらしく、一隻を残し、自分を取り囲むように残りの4隻がそれぞれ上下左右に展開を開始し、半径100キロほどの包囲網が完成したと同時に広域通信で警告を受ける。


 「我々は星屑の幻影(スターダスト)

宙賊団だ。貴様の船は包囲されている。大人しく投降し、資源か物資を引き渡すか脱出ポッドで船から脱出し、船を引き渡せ。さもなくば貴様は新たな星の材料の一部になれるだろう。ヒヒヒッ。」


 どうやらこの哀れな宙賊団は単艦で乗り込んできた紫雲の事を、護衛も連れずにノコノコやってきた中型の採掘船だと誤認しているようだった。


 確かに宇宙空間だと100キロ程度は至近距離と言えども、見通しの悪い小惑星帯の中、700m程度の物体様子を肉眼で確認するのは確かに難しいことだろう。


 自分は約2ヶ月ぶりの戦闘開始に備え、直ぐに武装を起動(アクティブモード)する事ができるように設定を変更してから、彼らに返答をする。


「こちらは改アリアケ級採掘船紫雲。そちらの要求に応え、資源ポッドを排出する。ビーコンも合わせて射出した。」


 返答した後に、その宙域から離れようとする素振りを見せる。

 因みに宙賊に対して資源ポッドだといったものはスタンドアローン型の小型ミサイルネストである。宙賊が資源ポッドを回収しようとのこのこと近づいてきたら一斉にミサイルを発射し、粉みじんにすることができる優れものである。


 最も、今回の宙賊は特段懸賞金が高いというわけでもなかったため、ミサイルを使うのはもったいないと判断し、オフラインモードで展開している。そのため宙賊が近づいたからと言ってミサイルが発射されるわけではない。


 その場から立ち去ろうとする素振りを見せると宙賊側から広域通信で


「待て、まだ物資の中身を確認していない。我々の許可があるまで動くんじゃないぞ、お前の命はこの俺が握っているんだからな。もちろん資源ポッドの中に物資が入っていないと言うことはないよな?そんな事をすればどうなるか、分かっているはずだろう?ヒヒッ」


と通告された。口調を鑑みるにどうやら帝国がどこかの宇宙軍の兵士崩れのようだ。

 この期に及んで未だ自らの命は相手の手のひらの上と言うことに気づいていないらしい。

 いっそ滑稽なこのさまを見て心のなかで冷笑を浮かべつつ、その場で艦を止める。

 モニターの前に設置されている機器から、3Dホログラムで表示されている3次元レーダー画像上のの宙賊艦を表す光点とその進路予想図をじっと見つめ、タイミングを図る。

 周囲を取り囲んでいた宙賊艦は30キロ圏内まで近づき、広域通信で警告してきた宙賊の親玉と思しき艦は、元々隠れていた場所から一歩も動かずに隠れたままだ。

 どうやら親玉と思しき人物はかなりの臆病者のようだった。だから宙賊団を率いてここまで生き延びることができたのだろう。


 しかしそうすると都合が悪い。今近づいてきている宙賊艦を相手にすると4対1とはいえ装備差でこちらが有利だとはいえ、撃沈までは多少時間がかかるであろう。そのすきに親玉が逃走してしまう可能性が高い。

 逆に今から親玉のところへ急行しても親玉が撃破された途端に他の4隻はまとまりを失い、そのまま何処かへ逃げてしまうであろう。そうするとこの小惑星帯では追い縋ることは難しく、仮に逃げたうちの1隻を撃破できたとしても他の3隻は別々の方向に逃げて行くはずなので取り逃がす艦艇が出てしまう。

 取り逃がすとこの宙域に傭兵が出たことが宙賊たちに伝わり活動がし辛くなってしまう。そのため宙賊たちは出来る限り撃破したいのだ。


 そしてコックピットシート上で伸びをしながら呟く。


「うん。めんどくさいから取り合えず近場の敵の推進部とアンテナだけこわしてあとは親玉のところまで急行してから墜とそう。」

 

 二兎追うものは一兎も得ずという諺もあるが、携帯型パルスレーザー砲で武装したハンターがそれぞれ一匹ずつ狩っていけば二羽とも確実に仕留められるだろうと思っている。

 今回狙う「兎」は可愛げがなく、電磁砲や艦載パルスレーザー砲塔を放ってくるちょっと凶暴で、体長200メートルから300メートルほどと、ちょっとばかり育ちすぎている様子だがまず問題ないだろう。


 4隻の宙賊艦が15キロ圏内に近づいたのを見計い、レーダーシステムで各艦をロックオンする。

 宙賊艦内でロックオン警報が鳴り響いたからだろう。各艦が一斉に


 「おいこいつ傭兵だぞ!ボス!どうするんだ!?」

 「隻数差でタコ殴りにすれば勝てるだろ!突撃するぞ!」

 「おい、まて早まるな!セルゲイ!ボスの指示を待つんだ!」

 「急いで囲め囲め!傭兵艦の相手はしたくなかったんだがな!くそったれ。」

 「OK!ボス!」

 「了解。一気に突撃するぞ!」

 


 などと大変な有様のようであるが、こっちからしてみればそのまま暫く混乱していてくれたほうがありがたかった。

 というかお前ら広域通信で親玉の指示を仰いでるんじゃない。敵方であるはずのこっちにも指示を聞かせてどうするんだよ!?

 と心の中で突っ込みを入れつつも一気にスロットルを押し込み、自動衝突回避装置も作動させる。

 そのままもともと自らの頭上あたりにいた宙賊艦に向け突進を開始する。電磁砲は前部の2基4門しか使えないが構わずに突っ込む。


 「おい!こっちに向かってきてるぞ!どうするんだ!?」

 「一足先に向こうで待ってろよ!」

 「おい!勝手に殺してるんじゃねぇ?!というか早く援護しろ!」

 「あぶねぇ!今かすったぞ!」

 「かすったくらいで騒ぐな!こっちはお前の盾にされてるから蜂の巣なんだよ!文句があるならとっとと俺の船の前に出て来いよ!」

 

 宙賊はなんか騒いでいるが気にすることはない。後部の3基12門の電磁砲と2基の6連装対空パルスレーザーに4基の副砲の70ミリ連装電磁砲を自動射撃モード(アシストモード)に切り替え、追いすがってくる3隻の宙賊艦に雨のように降らせつつも目の前にある小惑星の向かい側にいる宙賊艦まで一気に近づく。

 そして衝突寸前のところで自動衝突装置を切ると同時にスロットルをマイナスのメモリまで一気に持ってきて逆噴射をし、急減速したところで船体の右側面についている姿勢制御用スラスターを脳内チップで操作し、ねじるように横滑りをして宙賊艦の真横に躍り出る。

 

 「まて!やめろ!おれはまだ死にたくないんだ!この出稼ぎが終わったら、俺結婚する予定なんだ!」


 なんか宙賊が歌っているが、宙賊の奏でる楽曲はそこまできれいじゃないな。と思いつつ、前部の153ミリ連装電磁砲を斉射する。

 ブゥォンというような低い音と振動とともに放たれた4発の鉄塊は一瞬で五キロほどの真空を引き裂き、宙賊艦のどてっぱらに吸い込まれるようにして命中し、数瞬の後、コックピットブロックや核融合炉をずたずたに引き裂かれ、大爆発を起こした。

 

 爆発を避けるために今度は船体底部のスラスターをふかし、のけぞるような形で船体の前後を入れ替え、自動衝突回避装置を再び入れつつ、スロットルを押し込み、爆発の影響を受けない安全な距離まで逃げる。

この作品は後書きが本文説まである。

tips.クリスタリア星間帝国 統一連合政府が倒れてから2年後に作られた統一帝国。企業連合の一員として数多くの日本企業が参加していたため、相対的に日本の地位も上がっており、世界で一番古い歴史を持つ日本の象徴たる、天皇こそが統一帝国の盟主たるにふさわしいとなったため、当時の天皇を盟主とした帝国が出来上がった。政治形態は天皇を盟主とした議会制立憲民主主義であり、帝国という政治形態をとるために使われた天皇の権限はほぼないに等しく、昭和から相も変わらず象徴としての意味合いが強かった。

 因みに天皇が盟主なのに皇国ではないのかというと、天皇が盟主として統一された皇国を作ってしまうと、欧米などで再び黄禍論が巻き起こり、再び世界が分裂してしまうことを危惧されたため、彼らにもなじみがある帝国、という言葉が使われた。

 中国が出しゃばってきそうという意見に関しては、2046年の南海トラフ地震発生から中国が電撃的に台湾進攻を行ったが、かなり有利なはずだった中国側がなぜか初手から失敗し、なし崩し的に台湾側が反撃を開始。台湾海峡を挟んだ先にある本土側の対空レーダー網を破壊したのち、中国軍の大半が集結していると思われる台湾の向かい側には攻め込まず、台湾の中央を走る山脈に身を隠すように太平洋側から兵員輸送機や護衛の戦闘機などを発進させ、そのまま北京に襲撃をかける。先遣隊の攻撃機部隊により北京付近の対空レーダー網や対空施設は破壊され、近くの基地から出撃した戦闘機部隊以外、首都防衛はほとんど行えず、輸送機から空挺降下した兵士たちによってあっけなく首脳陣は捕縛され、翌日に本土側の降伏を宣言。これにより様々な自治区や民族が独立を開始し、1か月もしないうちに中国本土全体で紛争が発生。国連軍の介入なども行われたが紛争は継続され、2168年まで続き、莫大な量の難民や死者が発生。中国全土が荒れ果てたため国力に余裕など無い。というか中国自体が崩壊してる。


もちろんこの作品はIFの世界観とかであり、現実の国とか団体とかは関係ないからね?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ