石の礫
あーこれ死ぬなーだって目の前から石の礫が凄い速さで向かってきてますし?行き着く先は多分俺の頭だし?
死ぬ寸前ってスローモーションになるもんなんだなぁ…って、ん?スローモーションってなんだ?
あぁ…こんな時に前世を思い出したのか、と言っても用語ぐらいなものだが。何か前はマンションのベランダから「そこの人危ない!」って叫ばれてパッと上見たら植木鉢が俺に向かって落ちてきてたんだよね、まぁなすすべも無く死んだが。落下速度って早いんだぜ?そんな気配を察して避けるなんて上等テクニックを庶民の俺が持ってるわけなくただ呆然と植木鉢の魔の手によって息絶えたってことよ。
んで今回は何でだっけか?あーそうだ、この石の礫打ってきてるボンボンは父の仕事先のお偉いさんの公爵子息らしく何故か俺を付き従わせては俺の出来の悪さ(と言っても平均ぐらい)と公爵子息の有能さ(でもちょっとだぞ?)を周囲に比べさせては褒められて悦にひたってるようなクソガキだったんだ。
今日は的に向かって僕の最速の魔法を見ろとか何とかで俺を横に立たせて見学させてたんだっけ。終わったあとに適当に褒めとけばいいかーと思ってぼーっとしてたら飛んできたんだ。
はー…面倒くさかったなぁ。クソガキの相手。だって本当にクソガキ何だもん。俺だって平均ぐらいはあんのに横に比較対象が居るからそれと比べて…みたいな感じで見られるわ、あの男爵子息はーとか何とか陰口叩かれるわでさ。
でも親は普通に優しかったんだよな、家に帰ったらよくやってくれたなって褒めてくれたし。ほら今だって父上が血相かえて俺の方に走り出そうとしてるし。ごめんね、こんな親不孝者が息子で。俺父上と母上の事大好きだったよ。なんか前世の記憶思い出したことで少しうろ覚えだけど大好きだよ。
二人とも俺に気にせず弟をかわいがってくれ、そして俺の二の前にならないようにあの糞ガキから護ってくれ。
こんな所か…。
でもさ、前世思い出してから十秒ほどでしぬのってこれどうなの神様?あ、死n