心情
私にとって家族というものは特別な存在だ。
幼い頃にお父さんが亡くなってから、私のお母さんは女手1人で私をここまで育ててくれた。
高校2年生になった直ぐに、再婚の話を持ってきた時私は直ぐに了承した。
私とお母さんという家族に新しい部外者が入ることに少し嫌悪感を感じたものの、お母さんが幸せになれるなら了承するしかない。
そして新しい家族との顔合わせの時、私は予想外の事態に遭遇した。私はてっきり、新しくできる家族はお義父さんだけだと思っていたのだが、向こうの連れに私と同い年の男の子がいたのだ。
混乱を抑えきれなかった。私は男性があまり好きでなはい。
理由は分からないが、色々と苦手。
「よろしくね優芽さん」
「はい、よろしくお願いします」
これが彼との初めての出会いだった。
まさか彼のことを好きになることが来るだなんて、あの時の私は想像なんてしなかったであろう。
結城兄さんのおかげでシャーベットは瞬く間に人気アイドルグループへと昇進した。
前までは叶1強だった所を、結城兄さんは何か思ったのか私のことを宣伝してくれていた。
私がその事実に気づいたのはつい最近のこと。ふと、何故突然ありがたいことに人気が出だしたのか気になったから細かく調べ回るとあるSNSアカウントを発見したのだ。
そのアカウント名は『結城』。偶然なのか必然なのか名前は兄さんと同じ名前だった。
後に必然だということがわかったが。
結城先生という人は、アニメを全く知らない私でも知っているほどの作品の作者で映画化はもちろん、アニメも何回も再放送されるくらい人気なものらしい。
そんなすごい人の投稿を見ていくと、ずっと私のことに着いて語ってくれていた。
私はその事実に心が暖かくなったのはもちろん、1度でいいから会ってみたいと思った。
ある日、その人が義理の兄だということがわかった。発見経路は単純、私が兄さんのスマホを覗き見したためだ。
投稿主が兄さんとわかったと同時に私の中で何かが溢れた。
私がアイドルとして苦労していたのを彼は知っていたのだろう。
苦労からのストレスや、新しい家族への嫌悪感を私は兄さんに全て当たっていたというのに彼は私のことをいつも支えてくれていたのだ。
私は感情を抑え切ることが出来なかった。
心の中から無限に溢れ出てくる、好き、という感情。
私にとって兄は運命の人であり、命の恩人。好きになるのは必然だったに違いない。
その事を私は兄さんに伝えると、なんと了承してくれた。
兄妹同士なんて気持ち悪い、と言われる覚悟もできていたと彼は気持ち良いほどに軽く受け入れてくれた。
それからというもの、私の猛アタックが始まった。
まさかライバルが4人も増えるなんて思ってもいなかったが。




