鳥の人
これはいつも見る夢だ
暗闇のなか閉じ込められていた。
誰かが私を抱えて助けだしてくれる。
2人がうっすらと見えた。
1人は見覚えのある幼馴染みで、もう片方は黒い遮光眼鏡をかけていて、顔がわからない。
同じ見たことのない制服の2人に連れられ、見たことのない大きな車に乗り込んだ。
すぐに車が走り出す。
激しい警告音がなり始めた。
通路の明かりが赤く変わり、点滅する。
何が起こっているかわからない。
車は建物から出て、外の道路に走り出た。
辺りには何もなく、誰も見えない。
車の天井が開き、風が気持ちよかった。
私の背中にある翼が風を受け止める。
体が浮かびあがり、私は幼馴染みの手を握った。
2人が笑いかけてくる。
彼は私の手を離した。
私の体は空に昇っていく。
自由だ。
私はどこにでもいけるのだ。
私に微笑みかけている2人を見下ろして、自由な空に体が浮かび上がっていく。
ずっどーん。
何と表現したら良いかわからない、大きな音で目が覚めた。
聞いたことのない音だった。
外はまだ薄暗い。
状況はわからないが、良くない事が起きている。
急ぎ服を着ると、剣を手に部屋を出た。
廊下に並ぶドアからは、同僚がちらほら顔を出している。
階段を駆け降りていくと、一番下へは降りれなかった。
「なんじゃこりゃ。」
階段は崩れ、瓦礫の山となっていた。
階下を覗くと、
玄関には扉がなく。
ぽっかり開いたそのさきには何もない。
大型の獣が正面玄関から突っ込んで、階段を打ち壊して