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13通目のラヴレター  作者: ネクタイ
9/18

8通目 未練と後悔

結果として私は2人で外に出るのは危険だと判断した。

彼にはバイトが休めなくて、と言い訳。

それを聞いた彼は、それなら仕方ないねと少し寂し気に瞳を揺らした。

申し訳ないとは思わなかった。

都合のいい女になるのだけは避けたかった。



前科✕犯。



彼が社会的に許されないことをしてきた数。

その数に引っ掛かりを覚えたのだ。

彼が前科者であるのは知っていた。付き合って初日に言われたからだ。それでもお付き合いを続けてきたのは意味がある。更生をしてくれるとどことなく思ってたからだ。檻の中にはいろんな前科を持っている人間がいる。だからそのことだけで言えば何ら普通のことのなのだ。そこから更生して「外」に出ていく人たちもいる。


彼は噓を吐いている。


彼が言っていたのは✕犯。罪状は✕✕✕✕。

だけど噂では✕✕✕✕の他に✕✕✕もしているというのだ。

何故教えてくれなかったのか。



時計を見る。

今頃彼は一人外出しているだろうか。

私は起動させていたパソコンに向きあう。


「社会福祉法人 ✕✕✕の会。」


彼を一人にさせないために私は調査を始めた。

果たしてこれは正しかったのか。

少しでも彼といるべきだったのではないか。

でも不安を抱えたまま一緒に居るのは得策ではない。



その日の手紙にはこう書かれている。


『今日は君に会えない日。

分かっているのについついラヴレターを書いちゃうんだ。

次は一緒に出掛けられたらいいね。

愛している【ん】だ。心から。

少しずつ伝えていけたらいいな。』


好きが大好きに変わり、愛してるへ。

少しずつ変化していく彼の気持ち。

同じように思いながら、私の中で膨らむ疑心暗鬼。



だけど大丈夫。

彼を心から愛しているから。

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