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【森の哲学者】たそがれ!木林春夫 #ダイエットしなければの巻

作者: 薫 サバタイス

木林春夫という伝説の男を知っていますか❓


たぶん誰も知らないと思います。


私もよく知りません。


はっきりしているのは、木林春夫が伝説の男だということだけ。


ですが「伝説」となっているからには、何かしら根拠となるエピソードがあるはずです。


これからお話しする出来事が、木林春夫をして、伝説の男たらしめたかどうかはわかりません。


判断は皆さんにおまかせします。


では、聞いてください。




【#ダイエットしなければの巻】


ある夜のことでした。


木林春夫さんはお風呂から上がり、扇風機の前で涼んでいました。


気持ちの良い風が、火照った体を冷ましてくれます。


ふと視線を下へやりました。


たるんだお腹が見えます。


指でつまんでみました。


つまめます。


2年ほど前まで、つまめたのは薄皮1枚でした。


でも今は、ブヨブヨの特厚コンニャクをつまんでいるようでした。


この事実を知ったときの木林春夫さんのショックは、いかばかりだったでしょう。


決して人には言いませんでしたが、肉体にはかなり自信がありました。


というのも、学生の頃から、腕っぷしの強い方だったのです。


中身の入ったドラム缶を、5秒だけですが、持ち上げることもできました。


それがどうです? この有り様は!


まるで養豚場のブタじゃありませんか。


絶望の淵から立ち上がるべく、木林春夫さんは決意しました。


何を決意をしたかって?


もちろん、ダイエットです。


でも、木林春夫さんはこれまで一度もダイエットをしたことがありません。


太った原因はわかっています。


食べ過ぎ。


テレワークをする機会が多くなったせいか、自分の部屋にある食べ物をついつい口に入れてしまうのです。


ダイエットしたいのなら、我慢しなくてはなりません。


さらに、つまみ食いを我慢するだけでは不十分だと、木林春夫さんは考えました。


通常の食事においても、大幅にカロリーを減らす必要を感じたのです。


これは、食いしん坊の木林春夫さんにとっては、なかなかハードルの高い決断でした。


でも、以前から目をつけていた食べ物があったので、どうにか乗り越えられる気もしました。


カロリーが低く、栄養豊富で、しかも毎日食べても飽きないもの。


そんな奇跡の食べ物なんて、あるのかしら?


あるのです。


そう、グラノーラです。


グラノーラ以外には、考えられませんでした。


木林春夫さんは、すぐさまスーパーへ走ります。


入店するなり、レジの女性店員さんをつかまえて、自分はグラノーラを買ったことがないのだが、どこの棚に置いてあるのか、あなたはやせているが、ひょっとするとグラノーラを食べているせいか、もし食べているなら、どこのメーカーのものか教えてほしい、と丁寧に頼みました。


おそらくレジに客が並んでいて、手が放せなかったためだろうと思いますが、その店員さんは急いで別の店員さんを呼びました。


男性店員さんがやってきました。


だいぶ太った店員さんでした。


なんだか親近感を覚えながら、木林春夫さんは同じ話を繰り返しました。


間違いなく100キロはあるであろう店員さんは、自分もグラノーラが好きだ、特に気に入っているのはこの棚の商品だと、満面の笑みで教えてくれました。


帰り道、木林春夫さんは反省していました。


太った店員さんに聞いたのは間違いだったと。


断れない性格の木林春夫さんは、すすめられるまま、カルビーのグラノーラを6つも買い込んだのです。


いくらグラノーラが低カロリーだからといって、バクバク食べてはダイエットできません。


少しずつ食べるようにしなければ。


そう決意を新たにした木林春夫さんでしたが、6つ中、3つを季節限定品にしたのは、さすがと言うべきでしょうか。



   ↓↓↓↓↓

教☞伝説たるゆえん。


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