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ある日魔法は唐突に  作者: 亜入
第一章
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第八話 日常の罠は唐突に

 部屋の前まで辿りつくことができた城ケ崎明……、いや今は違ったか。

 今の自分は有栖川咲、咲……。忘れないようにしないと。

「少し体調が悪いかい? 何か必要なものがあったら管理室まで取りに戻るよ?」

「あぁ! ここが私の部屋なんですね。ありがとうございます。部屋に入ったらおそらく今日一日寝てしまうと思うので大丈夫です。色々お手数お数おかけしました」

 ここまで荷物を持って部屋の前まで来てくれた寮夫さんに感謝する。

「私たちの仕事が君たち生徒の管理だからね! 何か困ったことがあればすぐ管理室に電話を入れてね。遠慮なく!」

 寮夫さんの助力を得られるのはありがたい。ここまで手伝ってくれる人が多いということは有栖川咲にもそれなりの人徳があるのかもしれない。

 最も。この扉を開けなければならないのだが……。

 寮夫さんに手渡されたこの部屋の鍵のを握りしめ、恐る恐る部屋に入った。



 部屋の中が大変質素な家具が置いてあるだけだった。テレビはなし、洗濯も時間帯によって決まっていると予想を立てる。部屋に備え付けてある家電と言ったら……、冷暖房のエアコンくらい?

 テレビを見るなら食堂なり談話室に行かなければならないのか。

 かくいう自分も寮生活というものは初めてで新鮮な気持ちで一杯になっている。

 そんな部屋の様子なんか一先ず置いておいて、この部屋に入って最初に目に留まったものは大きなふかふか布団だった。


 ごくり……。最初にやることと決まればもちろん……、布団ダイブだあぁぁぁああぁっぁああ!


 親にも見られない部屋のカギをかけているので誰もこのモフモフタイムを妨害することはできないのだぁああ!!!

 靴を脱ぎ思いっきりダイビングした感想はただ一つ。めっちゃモフモフしとるやん。天国の中にいるみたい……、はわわぁぁーーー! もうここからでーたーくなーい!


 しかしこのモフモフに飲まれると訪れるものは熟睡が待っている。それまでに少しでも有栖川咲の情報を調べなければいけない。

 すっかりリラックスモードになって自分に鞭を打って有栖川咲の情報と手荷物を真剣に探すことにした。

 と言っても。部屋のクローゼット前には二つのスーツケースが。中身は確認するまでもないだろう。

 彼女の制服や洋服、下着などなどが万歳だった。

 まぁここを調べても有栖川咲の人物像なんて見えてこないだろうなと後回しに。

 


 気になったものはもう一つ。テーブルの上に置かれている分厚い一冊の本があった。

 授業で使うなら鞄に入れておくだろうし、これは有栖川咲本人が書いたと思われるノートだ! 

 これには重大そうな物だ。これから発掘作業が終わった後に見よう。


 その後みてよかったのか判断に困るものを発見してしまった。今の自分の状態は問題ないがいつの日か使わせていただく女性の秘密道具。まぁ。ありがたく使わせてもらおうか。


 有栖川咲の所持品はほとんど調べつくした。あの一冊の本以外は。

 こうなっては仕方がないと腹をくくったところで愉快な隣人から忘れ物を届けに来てくれた。魔が悪いというのもかわいそうだし素直にありがとうと言って部屋から離れた。


 っよし! じゃあ早速この本をゆっくり見ていこうではないか!

 中身はクラスメイトの写真、それ以外の同級生のほとんどの名前と写真が貼られていた。出身国、生年月日、国籍に趣味などなど丁寧に説明口調で説明があった。この本は元の持ち主である有栖川咲がどれほど几帳面な人物であるか一発でわかった。学校でこんなの配ることは絶対にしない。彼女の努力の結晶なのだと感激すらした。

 でもこの彼女の努力の結晶はこちらも使わせてもらうことにしよう。なんせあのクラスでは一瞬しか一緒に過ごすことができなかったし、先ほど荷物を届けてくれた親切な子の名前すらわからない。

 

 ……また暗記地獄のはじまりかぁ。


 俺は夕食が運ばれてくる時間ギリギリまでこのノートを元に必死に暗記をした。あーでもない、こーでもないと必死に思考力をフル回転。いつかの受験期を思い出すなぁ……。

 いつ戻れるかわからない状況なら覚えるのに多少の時間猶予はあるでしょ!

 えっと、荷物の子は……、翡翠ちゃんていうのか。右隣の子の名前は茶髪の子でえーっと……

 自主勉強中に再びノックがコンコンと聞こえる。もしかして夕食の時間?

 少し早すぎじゃないのかな?

「はいはい、ドア開けますよー……って翡翠ちゃんだ、どうしたんですか?」

 夕食が運ばれるとウキウキしていたのに少し残念だ。それに翡翠ちゃんの様子も少しおかしい。パジャマの恰好で化粧水もろもろを桶に入れ、まるで入浴上に行く格好だ。

「あ、そうか! 朝から体調悪かったから知らないんだ……。アリスちゃん、今日は夜に入浴場の点検工事が入るから夕食とお風呂の時間が今日だけ交換になったんだよ。早めに行かないと混んじゃうし早くいこっ!」

 はいはいお風呂ねぇ……。さっき探した時お風呂セット一式見つけておいてよかった!

「おまたせ翡翠ちゃん! いこっか!」

 バスタオルよし、タオルよし! シャンプーリンスよしっ! ヘアゴムにメイク落としまで完璧だね!

 ルンルン気分で寮の自分の部屋のカギを閉めて翡翠ちゃんの方へ向かう。一体どんな風呂なんだろうと期待もする。

 湯舟が広ければいいなぁ! 足をゆっくり延ばせるし、いろんな人と入るのは久しぶりだなぁ……、うん?

 突如我に返る。風呂に必要なものってこんなに多かったっけ?

 そして重大な現実に気づいたのであった。


「…………自分、中身は男じゃないすか」


 一度過去作の誤字等の確認をしたいので一日更新が止まるかもしれません。

 まぁそんなに量もないので早めに終わって続きを更新できるのがベストなのかもしれませんが……。

 頑張ります!

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