閑話(軽音の3年と、部外のガールズバンドの反応)
読み切りを投稿しようと思い、構想を練っていたら、こっちの投稿が遅くなりました。
ごめんなさい、
紫達が、放送室でユータと縁と、紫の作った曲を放送で流している頃、軽音の3年生達は、軽音の部室に集まり、各々、パンやコンビニ弁当を食べながら、放送に耳を傾けていた。
紫を引き抜きに来た事のある、3年の吉沢が、
「放送部の1年の女、いい線行ってるから、モノにしたいんだけど、中々、身持ちが固いらしいな。」
「ああ、今、放送で喋ってる娘だろ?
コクった奴、軒並み玉砕って話しじゃんか、しかも並み居るイケメン相手に見向きもしなかったらしいじゃないか、お前程度じゃ無理だと思うぜ。
まぁギターの篠原とか、ヴォーカルの真野辺りなら、どうにかなるんじゃないか?」
ドラムスの三浦が、ベースの吉沢をからかうと、ヴォーカルの真野が、
「俺、その1年の事知らないけど、俺にはエリカがいるから、どーでもいいや。」
と鼻で笑うと、ギターの篠原は、
「俺も彼女居るけど、その1年が、好みなら乗り換えはありかな(笑)」
と軽薄そうに笑って見せる、その時、紫の作った曲が、放送に流れ始め、3年達は、「おっ!」と顔を見合わせた。
「何か、ノリが良くて良さげな曲じゃん、何てアーティストの曲だって?」
真野が、メンバーに尋ねると、三浦か、
「何でも、この学校の生徒が作った曲らしいぜ、吉沢の心の彼女が言ってたぜ(笑)」
「この学校で、こんな曲作るのって、2年のレディースバンドの、クリムソンカッツェか?」
真野が、聞くと篠原が、
「あいつらは、こんなブルーステイストの曲作る訳無いじゃん、きっと屋上の1年生バンドだと思うぜ、多分、あの1年生ギタリストの曲だろう。」
篠原の勘は、正確に紫が作曲した事を言い当てていた。
真野は、心の中で、あの1年おお化けするかもと思い3年バンドで、作曲を担当している自分自身に、俺も頑張らなければと、1人、自身の心に鞭を打っていると、今度は、バラードナンバーが流れ始めた。
篠原は、このバラードを聞いて、凹みそうになるも、奴(紫)とは仲良くなりたいなぁと思っていた。
同じ頃、2年のレディースバンド、クリムソンカッツェのメンバー達は、
「はねえね!この曲、3年の篠原が作ったのかしら?」
「まさか(笑)あいつら、こんな※ブルーライトやんないでしょ。」
※ブルーライト=ブルースっぽい曲の事。
「そりゃそうだ!あいつら、モテ系のパーティーロックばっかだし(笑)
でも、誰よ?こんな味のある曲作ったの?」
「そう言えば、真野の女のエリカが言ってたけど、今年の軽音の1年に凄いのが居るらしいよ。」
「へぇ~!気になるじゃん、見に行ってみる?」
「あたし、今日、用事有るから無理。」
「じゃあ、明日、皆で見に行く?」
「OK!明日ね!」
こうして、紫の曲は、校内て人気を二分するバンドのメンバーの耳に届いた。
そして当の紫は、帰宅すると、MTRに向かい、9曲目の曲を録音していた。
録音が終ると、ユータ先輩に頼まれた通り、PCを使い5枚のCDに録音すると、政宗に電話して、その日の軽音の様子や、練習の成果等を確認して連絡を終えた。
夕食の時、父親の良に、
「曲、作ってるのか?」
と尋ねられ、「ボチボチと作ってるよ。」と答えると、「聞かせろ。」と言われ、焼いたCDを1枚渡すと、
「明日、出勤中に車で聴かしてもらう。」
と愉しそうに笑っていた。
紫は、まぁ1発で親父のメガネにかなうとは思わないけど、と独り言を言いながら、親父に渡したお陰で足りなくなった分のCDを焼いていた。
今回、新たにガールズバンドを登場させました。
予定よりも、少し話が長くなる予定です。